ぐっどないとみゅうじっく
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駅から続く坂道を下り、急な角度の階段を右に曲がる。並んで歩けないほどの細道を抜けると、名ばかりの大きな時計はもう見えなかった。もう、そこへの未練はないし、そもそも今日はそこへ来たわけじゃない。 最近、久しく歩くことをしていなかった。駅から自宅も職場近いので下手すれば1日10分と歩かない日もある。歩いていないというのは考えていないに等しい。頭を空っぽにして、久々に歩いたその道でいろんなことを考える。僕はいつでもどちらかに属して居らず、しかもどちらにも属したがるので結局はどちらにも属せずに今に至る。それでもあちら側とこちら側を行き来する人を見守るような防人でありたいと希う。
今日はさようならをするために人と逢って来た。あしたもそうだ。
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