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2003年03月21日(金) 夜明前〜林矢子@初台DOORS〜

 「南へ行こう雪を知らない国へ 夢の醒め際そっと潜り抜けて」

 林矢子@初台DOORS。1曲目『楽園ワルツ』。上記の詞で始まるこの唄は、僕が一番最初に聴いた彼女の唄。そして僕が参ってしまった唄でもある。メンバー募集で多くの人の音源を聴いたり、スタジオに入って来たけどここまで嫉妬させられた唄い手は居なかった。それよりもすうっと胸に染み込んできて、嫉妬よりももっと圧倒的なものを感じた。それから6年経った今でもこの唄は色あせるどころか、今も尚僕を激しく揺さぶる。
 他にも夕べは『青のかたみ』『ねがい』『星座』と聴いている者のたましいに問い掛けるような唄が続く。音だけで言うとその対極にある『さめぎわ』『海あかり』静かな曲はやさしく抉るような刃を持つものだった。
 久々に聴いた『月読唄(つくよみうた)』も聴きながら、此処が何処かを忘れさせてくれた。最後の『感覚の夜』が終わると、僕はひとたまりもなくなっていた。そして彼女に最近で1番良かったことを告げた。

 実はスタッフとして働いていたから曲順も何も知っていたはずなのに、ライブでは聴き惚れてしまった。リハーサルの時も最初はギターの音色がどうだとか、唄の響きがどうだとか気にしていたのだけど、それが終わってしまうと、ただ椅子に座りながら観客として聴き入ってしまい、役立たずさにはっと我に返る。

 ここ1年で音楽の世界も生き急ぐように「今までのようではいけない」と急激に変わり始めている。しかし、それとはまったく別の次元の所で林矢子の唄は紡がれていると思う。彼女は産まれる前から唄うことを望んでいたし、これからも生きる為に唄い続ける。それを知らせる為の夜明け前のようなライブだった。


 今日は1日中テレビを観ていた。頭の後ろを鈍器で殴られ続けているような感覚。湾岸戦争の時とは明らかに違う漂う空気の重さ。ブッシュ、小泉、フセインの言葉に頷けるようなものは何ひとつ見当たらない。それでも声を挙げなければ、黙っているのと同じなのだ。


臨月 エイジ |お便り気付かない細道へ向かえ旧ぐっどないみゅうじっく

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