ぐっどないとみゅうじっく
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2002年06月16日(日) |
時には娼婦のように〜小島麻由美@渋谷AX〜 |
夜から小島麻由美@渋谷AX。いい加減厭になる休日の人込みをなんとか抜け、今日は会場を間違うことなく無事到着。会場に入るともうすでに多くの人。前売り券完売で当日券はなしだと言う。前回のワンマンはチケットを取れなかったから、去年のLIVE JAPAN以来約1年ぶり。アルバム発売でもないこの時期にライブが観れるのは嬉しい。
開演とほぼ同じくらいに白のワンピースを着た小島登場。後から知ったのだけど、裸足だったらしい。スキャットのインストを1曲歌ってから『真夏の海』。編成はいつものギター、ベース、ドラム、鍵盤、フルート。ベースと鍵盤の音がやや小さめに聴こえる。ASACHANGのドラムがパワフル過ぎる為か。クリスマスの時期によくかかっていた『ding ding』。季節はずれなこの時期に聴くのもなかなか乙なもの。新曲『Rock Steady Girl』。スカ調のこの曲の中でもドラムが炸裂!いつでもASACHANGのドラムはオカズが多いのに、しっかりしていて頼もしい。 『プレイガーリー』で歌い出し音程が狂う。ちょいと前ならばメンバーを見回し、まるで演奏が悪かったのように1度演奏を止めた事だろう。しかし、今回はそのまま続行。それだけでも彼女がライブに対して自信を持ち得た気がする。続けて『セシルカットブルース』。ライブではお決まりの流れだけど、何度聴いても鳥肌が立つ。気怠く唸る歌声と演奏がなんとも言えない絡みを魅せる。 今日はやけに「小島ぁ〜」とか「可愛い〜」と野郎の歓声が目立つ。「今日は雨じゃなくて良かったですね。みんなは楽しんでって下さい、踊ったりしてね」とMCを挟む。前曲の娼婦のような唄声とは打って違い、10代のアイドルのような声で話す。この落差がたまらないと言うファンも多い。もちろん僕もその内の1人。しかし、10代のアイドルは娼婦と似たようなものだとも思う。 あなたといると とても悲しいの 他の女が呼びに来るまで ふたりでいてね
みんな私のこと なんて呼ぶか知ってるわ 口紅なおしに鏡に向かう
ピアノの伴奏だけで歌い始めた『ぱぶろっく』。なんて切ない唄なんだろう。時折り、まるで泣いているようなか細い声で歌う。途中からバックに星空のようなライトアップもされ、一層切なさが増す。気が付くとまた知らない何処かへ連れて行かれていた。『結婚相談所』『結婚行進曲』と結婚シリーズが続く。鳴り止まない雷のようなドラムとフルートとスキャットのユニゾンが心地よい。『はつ恋』ではこんなにも歌唱力があったのかと驚かせられた。語尾の吐息にくすぐられる。続く『エレクトラ』と『蜜蜂』。乗りにくいようでしばらくすると慣れる、この連続する2曲の5拍子地獄にはまり抜け出せなくなる。
「最後の曲です」と『恋の極楽特急』。1stの曲を未だに結構やっている。名曲なのはもちろんだが、それだけ本人のスタンスが変わってないのだろう。終わったと思ったので観客即拍手。しかし最後に中央にピアノを持って来て『皆殺しのブルース』。この曲自体インストで何処か狂気じみた曲なのだが、それ以上に無表情でピアノを弾く小島の顔が怖い。いつもこんな弾き方で曲作りをしているのだと思うと、生まれてくる唄たちにも何となく頷ける。
客電が点き、普通ならばこれで終了。それでも鳴り止まない拍手。しばらくして再登場。本当に終わるつもりだったらしく、付け毛も取ってしまってハンチング帽子をかぶってで出てきた。リクエストに答え『ろくでなし』をアカペラで歌う。でも、手拍子は要らなかったな。どうして日本人ってこんなにも手拍子をつけたがるのだろう。手拍子も話し声も何もない無音の中で、あの声を聴いてみたかった。 全体的に選曲といい、特に新しいものはない。しかし危うげなところは多少あるものの、以前までの観てて居た堪れなくなるようなライブでは全然なくなった。何より「歌いたい」という想いが漲っていたように僕には思えた。余談だが最新アルバム『My Name Is Blue』が何処かへ行ってしまった…。碌に聴いてもいないのに。持っていくとしたら職場くらいで、誰かに貸した覚えもない。でもケースだけ家にあるのは何故?早く出てきておくれ〜。
1.doo-bee-doo-goo 2.真夏の海 3.ショート・ケーキのサンバ 4.ding ding (doo ron ron) 5.Rock Steady Girl 6.エルヴィスの幽霊 7.刺青 8.プレイガーリー 9.セシルカットブルース 〜MC〜 10.ぱぶろっく 11.結婚相談所 12.結婚行進曲 13.パレード 14.飾窓の少女 15.はつ恋 16.エレクトラ 17.蜜蜂 18.背後に気を付けろ! 〜MC〜 19.ひまわり 20.恋の極楽特急 21.皆殺しのブルース アンコール 22.ろくでなし
小島麻由美オフィシャルHP
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