酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2005年10月01日(土) 『天使のナイフ』 薬丸岳

 桧山貴志は、愛する妻・祥子を少年(13歳)たち三人に殺された。残されたひとり娘・愛美を祥子の友人で保育士のみゆき先生に預け、オーナー店長としてカフェを切り盛りしている。祥子の事件から4年、犯人の少年の一人が殺される。桧山にはアリバイがなく、復讐目的の殺人かと疑われてしまう。たったひとりで事件の真相を追いかけるうちに、桧山は祥子の隠された過去を知ることとなり・・・

 二転三転する物語は、トテモ面白かったです。この物語の根底にある少年法に対する疑問は、今の世の中の人たちも多かれ少なかれ感じている思いなのではないかしら。現実でも少年法に守られた少年が社会に復帰し、また事件を起こすという悪循環をたびたび耳にします。そんな時、更生するとは、罪を償うとはいったいどういうことなのかなと頭を抱えてしまいます。やり直すチャンスをいただいておきながら、同じ事を繰り返すナンテ愚かとしか言いようが無いですね。愛する者の命を奪われた人間が、復讐として犯人の命を奪うならば自らも加害者となってしまう。命の尊さを幼い頃からキッチリ教える、それしか術はないのかもしれません。重いテーマであるにも関わらず、さくさくと読ませてもらえました。これも映像化するでしょうね。

「だけど、あなたは更生はしなかったんだ」

『天使のナイフ』 2005.8.8. 薬丸岳 講談社



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