酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2005年07月10日(日) |
『風神秘抄』 荻原規子 |
平安時代末期、16歳の草十郎は腕は立つが人との付き合いが苦手。ひとりで笛をふくことが気が楽だった。平治の乱の際、主と決めた義平が獄門、その首を曝されているのを見たときおおいなる絶望に襲われる。その時、魂鎮めの舞を舞う少女・糸世の姿に見惚れ、惹き付けられるまま笛を吹き始める。糸世の舞と草十郎の笛が寄り添った時、世界が動いた・・・?
これは最高に面白かったです! 荻原さんの作品の中でナンバー1に好きと言い切ってしまうほど素晴らしい。草十郎と糸世の惹かれあいのもどかしさも良いし、何故だか草十郎が話せるカラスの鳥彦王のキャラ最高。この鳥の王ってのが今までの物語と微妙にリンクしてるv こんなカラスなら話したいくらいキュート。 そして「熊野」なんですよね。本当に今年はこの「熊野」(そしてきっとカラス)が私の読書のキィとなりそうな予感。自分なりに調べたい事がたっくさん出てきました。世界遺産、行ってみるか・・・。 分厚いし、時代モノなので敬遠されがちかもしれませんが、上質なファンタジィです。かなりオススメ。これだけのモノってなかなか読めるものじゃないと心から大絶賛。
「この世界でも異界でも、すべてのものごとはもとにもどすことなどできない。一度起きてしまったら、あらたにその先へすすめることしかできぬ。一見、もとのさやに収まるかに見えることがあっても、そこには必ず差異が生まれるのだ」
『風神秘抄』 2005.5.31. 荻原規子 徳間書店
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