酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2005年05月11日(水) |
『夜離れ(よがれ)』 乃南アサ |
「髪」 芙沙子はコンプレックスだった髪にストレートパーマをかけ、つややかな髪に変身。それに自信を持ち、「髪は女の生命」と思い込んでいる。会社では憧れの社員を髪の魅力でモノにしようと狙っているのだ。同僚の硝子は化粧気もなく天然パーマの髪をひっ詰めている。あるパーティで自分の引き立て役だと思っていた硝子が艶やかに装ってきて・・・
髪の毛。本当にそれは悩みであり、綺麗に決まればなんとなく綺麗になったように錯覚させるパーツ。髪に命をかけて奔走する芙沙子の行動は笑えないなぁ。コンプレックスが美しい武器に変わり、錯覚に浮かれていた時、思いがけぬ方向から伏兵が出現し、自分以上に美しい髪を手に入れてしまう。そして「壊れる」・・・ たぶん自分の髪になんらかの悩みやコンプレックスを持った人間なら、芙沙子の狂気も理解できてしまって怖いんじゃないかしらー。とても面白い短編集でした。
「後ろから見たら、どんな美人だろうと思われちゃうわけよね、きっと。まあ、最近、そういう女の人ばっかりだけど」
『夜離れ』 2005.4.1. 乃南アサ 新潮社文庫
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