酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年10月09日(木) |
『海月(かいげつ)奇談』下 椹野道流 |
エージェント早川は負傷。敬愛する師匠、河合は行方不明。友人、龍村まで襲われ負傷、そして愛する敏生をかどわかされてしまった天本森。この事件の裏には森が見ようとしなかった過去の現実がキィ? 森は愛する人たちを取り戻すべく封印していた過去に立ち向かう。その過去から浮き上がった現実とは・・・。
森(しん)、それは罪(SIN)と言うおまえの名前・・・。今回の森さんの試練は激しかった。かわいそうでちょいと泣けました。椹野道流さんが上下巻に分けないと書けなかった、とおっしゃる気持ちも納得できます。本当に‘人の心’と言うものはたくさんの重く哀しい闇をいくつもいくつも抱えているものだなぁ、と感じました。 奇談シリーズをまだ読んだことのない方で、興味のある方は今回の『海月奇談』をお読みになることをお勧めいたします。これは奇談シリーズの中でも最高傑作だと思いますので。おそらくこれを読まれたら、一番最初から森と敏生の物語を読みたいと思うに違いありません。でもボブ(ボーイズラブ)の苦手な方は読んじゃいけません(笑)v
人は過ちを悔やむことで、強くも優しくもなれるのです。・・・・・・ですから、どうぞ過去に捉われず、幸せになってください。
『海月奇談』下 2003.10.5. 椹野道流 講談社X文庫
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