酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年09月28日(日) 『被告A』 折原一

 田宮亮太は、連続殺人事件《ジョーカー事件》の犯人と目され取調べを受け続けていた。田宮は留置場で‘復讐’と言う文字を書き付けながら、「俺は無実の罪なんだ。冤罪だ。真犯人は別にいるんだ」と呟き続ける。田宮は、弁護士を巻き込み、推理を展開し、裁判で逆転の秘策を放つのだが・・・。裁判の進む一方で事件が起こっていた。教育評論家浅野初子の息子がジョーカーと思われる男に誘拐されたのだ。息子の命を救うべく誘拐犯ジョーカーに立ち向かうが、翻弄される。初子は、自分のせいでひきこもりになってしまった息子を助けることができるのか?

 うーむぅ、またもや見事に翻弄されました。さすがは叙述トリックの王様・折原一さま。ふたつの物語が同時にスリリングに展開し、読み手(私)はまんまと嵌められました。うまいなぁ・・・。
 本当は事件の犯人のことでいろいろ言いたいことがあるのですが、ネタバレになりそうなので自粛しました。あなたも是非だまされてくださいv

「あんたの負けさ。ババを抜いたんだよ、おじさん」
 おかっぱ頭の少女は、老婆のような声で笑いだした。

『被告A』 2003.9.15. 折原一 早川書房



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