酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年09月26日(金) 『太平洋の薔薇』上 笹本稜平

 不定期貨物船「パシフィックローズ」がマラッカ沖で乗っ取りに遭遇。船長は伝説のキャプテン柚木静一郎。柚木は乗っ取り犯人たちに立ち向かい、クルーを守ろうとする。静一郎の娘、夏海は海上保安庁クアラルンプール国際海事局海賊情報センターに出向してこの父の関わる事件を手がけることになる。
 荒れ狂う猛る海原を舞台に男達の野望と生死をめぐった戦いがはじまる・・・。

 船が乗っ取られる。これは大海原を舞台にした完全密室だよなぁと思いながら読んでいました。上巻は登場人物が多いため、相関関係を把握しながらの導入といった感じ。今、下巻に突入しましたが、読むペースが格段にアップ。上巻を踏まえてからこその引き寄せられかたですね。うまいです。
 冒険モノって主人公の魅力に尽きます。このキャプテン柚木静一郎は男の中の男です。その娘や仲間たちもいい奴らばかり。ただの乗っ取りではないこの事件がどう動きどう集約するものか、とてもとてもわくわくしていますv

「俺も知らねえよ。知りたくもねえな。世のなかにゃ知らない方がいいことがいろいろある」

『太平洋の薔薇』上 2003.8.25. 笹本稜平 中央公論新社



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