酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年09月23日(火) 『サウンドトラック』 古川日出男

 トウタ6歳とヒツジコ4歳はそれぞれ親の身勝手から、小笠原諸島のある無人島に漂着。2年後、保護されたふたりは異様な心模様で成長をしていく。兄妹のごとく生きてきたふたりは引き離され、数年後、異形都市東京で再会を果たすことになるのだが。

 幼いトウタとヒツジコがファーストシーンから苦労しながら生き抜いていく。成長したふたりは極近未来の異形都市東京で別々にサバイバルをする物語。文章が容赦なく、しかし読ませる力を持っていました。ただ内容は残酷だし、不気味だし、読んでいて決して爽快ではなかったです。でも最後まで読まずにはいられないパワーを持っていました。いや、すごかった。でもものすごく疲れました。

 悪意のない者だけが純粋な悪意を持っている。

『サウンドトラック』 2003.9.10. 古川日出男 集英社



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