酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年08月02日(土) 『危険な恩人』 新津きよみ

 堂本良子はかつてのライバルの個展に行き、うちのめされていた。絵で食べていくことのできる友人に。すばらしく才能を伸ばした友人に。そんな嫉妬に心を乱した良子は、愛する我が子の手が離れていることに気づくのに遅れた。娘は友人にもらったボールを追いかけホームから転落したのだ! その娘を自分の身の危険も顧みず、助けてくれた男がいた。その娘の命の恩人は若く妖しい魅力をたたえた男だったのだが・・・。

 この本は読んだことがあったかしら、と思うくらいスムーズに物語が頭の中で映像化されて展開していきました。気になって調べてみたのですが、ドラマ化はされていない模様。見たことがあるような展開なんだけどな。
 新津きよみさんの描く日常のホラーやミステリィはスキです。今回の物語で一番ぞぉ〜っとさせられるのは、姑です。しっかりしていて仕切りたがって臭覚が本能的に発達している。読んでいてむかつくばぁさんだなーと思うけれど、的を射ているのも事実。こういう人を書かせたらうまい人だわ。
 展開が読める物語は特に文章に魅力がないとつまらない。その点、新津きよみさんはきっちり最後まで楽しませてくれますv

『危険な恩人』 1997.11.10. 新津きよみ ケイブンシャ・ノベルス



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