酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年05月26日(月) りかさん 梨木香歩

 ようこは、おばぁちゃんからお雛祭りに『りかさん』という真っ黒の髪の市松人形をいただく。でもようこが本当に欲しかったのはみんなが持っているリカちゃん人形だった。けなげなようこは不満そうな顔をしてはおばぁちゃんに悪いと思いぐっと我慢をする。そしておばぁちゃんからの説明書どおりにりかさんのお世話をするうちにりかさんに夢中になっていく。そしてりかさんを大切にして七日目の夜にりかさんが話し掛けてきたっ!
 これは、『からくりからくさ』と言う物語と続く物語。ただし、時代的には蓉子の少女時代にあたり、りかさんと蓉子の心の交流、『からくりからくさ』でキィとなるマーガレットとの因縁が描かれています。『からくりからくさ』では素敵な気配だけになっているおばぁちゃんも元気です。
 少女時代の蓉子が、りかさんに話し掛けられて自然に受け入れる姿や、草や木を愛する心がのびやかに描かれていて『からくりからくさ』をますますよいものに仕上げている感じがします。『りかさん』は児童書かもしれませんが、『からくりからくさ』と見事に呼応していて大人が読むにもよい物語です。

 価値観というのはね、簡単にいえばその人がどういうことをいちばん大事に思うかってこと。

『りかさん』 1999.12月 梨木香歩 偕成社



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