酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年05月25日(日) ボイス 吉村達也(映画とはちょっと違うノベライズ)

 ジウォンは雑誌記者。携帯電話で気軽に行われている援助交際を取り上げ、世論の注目を浴びる。そんなジウォンにストーキングが繰り返され、恐れを抱いたジウォンは親友ホジョンの夫チャンフンの好意で彼の持ち家に避難する。
 ホジャンは夫の提案が内心面白くない。なぜならば美しく完璧主義な彼女はどうしても子供が出来ず、ジウォンから卵子提供を受け、ヨンジュという可愛い娘を得た負い目があるから。またジウォンとチャンフンが惹かれあっていることにも感づいている。卵子提供を受け自分は代理母として使われたような被害妄想に陥るホジョン。
 ジウォンは、ストーキングのひとついやがらせ電話を回避するべく携帯電話を変えるのだが、その番号を選んだ者たちは次々と死んでいた。ジウォンの周りで不可思議な現象がおこりはじめ・・・。

 これは韓国発ホラー映画『ボイス』を、吉村達也さんがノベライズしたものです。しかしながら大元の軸は大切にしながらもラストなど映画とは違うらしいです。作家吉村達也さんの書くことへのこだわりが感じられました。
 映画のCMでヨンジュ役の女の子の表情の怖さに規制がかかってしまったほどの映像版も気にかかります。この小説とは違うラストと言うものも見てみたい。
 吉村達也さんは、卵子提供など女性によっては敏感に反応するテーマなので最初は違うアプローチを試みようかと考えたそうです。そういうところに吉村達也さんのお人柄が出ているなぁと好ましく思いました。
 私は子供をなしていないので、そしておそらく子供を持たずに生きていくと思うので主人公のひとりホジョンの苦悩を理解してあげられないのです。子供がいないと一人前ではないという風潮はまだまだ世の中に根強いのでしょうか。私は自分らしく生きているからあんまり問題にしていないのですけどね。

 
 ときに真実というものは、隠してこそ、よき人生を送れることもある。真実はつねに知るべきもの、それこそが人権と思い込む人たちは、人生の機微を知らなさすぎますね。

『ボイス』 2003.4.25. 吉村達也 角川書店



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