酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2002年12月14日(土) きよしこ

 岡山の★重松清さんの短篇連作集です。昨夜枕を涙でぬらしつつ(本当です)読了しました。今まで『流星ワゴン』が、マイ重松ベスト1だったのですが、勝るとも劣らない作品にございました。
 吃音の治らない少年が、転校とともにさまざまな目に遭遇しながら、吃音と生きていくおとなになるまでが描かれています。「きよしこ」「乗り換え案内」「どんぐりのココロ」「北風ぴゅう太」「ゲルマ」「交差点」「東京」の7つの物語。少年は、すこしずつ成長していく様子が心に温かいですv
 私のお気に入りは「北風ぴゅう太」と「東京」です。
 まだ重松清さんを読まれたことのない方には、短篇集ですし、超オススメです。

 ‘お話はー少なくともぼくの書くお話は、現実を生きるひとの励ましや支えになどならないだろう、と思っている。ましてや、慰めや癒しになど。ぼくはそこまで現実をなめてはいないし、お話にそんな重荷を背負わせるつもりもない。
 お話にできるのは「ただ、そばにいる」ということだけだ、とぼくは思う。だからいつも、まだ会ったことのない誰かのそばに置いてもらえることを願ってお話を書いている。’
 これは、物語のはじまる前に書かれている文章より抜粋しました。重松さんらしさがこの文章に表れている。そして重松さんは謙遜されていますが、重松さんの物語は励ましや支えや慰めや癒しになってくれることもあります。

『きよしこ』 2002.11.15. 重松清 新潮社



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