酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
DiaryINDEX|past|will
大学時代から崇拝していた、瞳子が死んでしまった。美しく硝子細工のような瞳子が。 瞳子をとりまく仲間たちの罪の意識と自問自答。ずばぬけて美しいもの、優れたものへのどこか屈折した感情と言うものは、もてあましてしまうもの。 近藤史恵さんらしい、心を棘がちくちくさすような物語。こういう物語を面白いで片付けていいのかな、と思わないではありませんが、面白かったです。 ‘どんなに平凡に見えたり、幸福そうに見える日常にも、痛みは必ず潜んでいるものだと思っています。それをうまくやりすごせることが、大人になることかもしれません。だから、この小説は、その狭間にいる人たちの話なのです’とは、近藤史恵さんのこの物語へのお言葉です。私は、瞳子はやはり大人になりたくなかった、なれなかったのだと思いました。
『青葉の頃は終わった』 2002.10.25. 近藤史恵 光文社
|