酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2002年09月02日(月) |
GOTH リストカット事件 |
乙一、彼のことはあえて敬称略で乙一と書きたい。ファンの方ごめんなさい。彼のことを決して軽んじている訳ではないのです。むしろ逆。この若さでどこまで伸びていくのかしらと期待でいっぱいv 乙一と呼び捨てにしたいのは、彼のデビューした時の年齢(17歳で 『夏と花火と私と死体』 でデビュー)や、名前の語呂から私の感性にぴったりなの。勝手に親しみをこめてvおついちvv
乙一は本読みさんサイトのあちらこちらで話題になっていたので(どうやらホラーらしいし)、 興味を持ち読み始めました。読み続けているところでこの夏に刊行された作品が 『GOTH リストカット事件』 でした。これはなかなかすごかった! です。乙一と言う作家さんの才能が開花したと言う感じ。ホラー要素もミステリー要素もありますが、ホラーでなく、ミステリーでない(笑)と私は思うけど。主人公とヒロインの人物像がとても魅力的。 このページは、 『GOTH』 の装丁に敬意を表して黒にしてみましたが、このノワール感に惑わされることなく、ひとつの優れた作品として読んでもらえたらいいなと願っています。怖いとか気持ち悪いのではなくて、せつなかったり、かなしかったり、むなしかったりします。もしも今の乙一の世代、乙一が 『GOTH』 で描いた世代の若者たちが、あの物語に漂うアンニュイな気持ちで生きているとしたら、ちょっと可哀想なのだけど。ワタクシは涙と汗のはじけまくった青春でしたから(苦笑)。泥臭いのもいいもんよv 涙は心の汗さっ♪
話を戻して、 『GOTH』 は、�困弔諒�語で構成されています。それぞれに微妙に (普通の感覚ならとってもかもしれない) 危ない人間の罪と罰があって、巻き込まれ体質(気の毒な)のヒロインは巻き込まれていく。それに絡む主人公の行動が・・・。これがねぇ。うまく 「おとす」 のですよ。ひとつひとつの物語の中できっちりと。ヒロインを助ける真っ当なヒーローではございません。
私が一番気に入った物語は、�犬痢 峙�憶」 です。森野夜と森野夕という双子の少女が出てきます。このふたりの遊びが映像として頭に浮かんでくる。なんだか浮かんでくる映像が危険で耽美的なのですよ。映像として浮かんでくるのは、この章に限らず、読んでいると映像が頭に浮かびます。乙一くんが映画好きだからかもしれません。 (これは 『ダ・ヴィンチ』 8月号の乙一インタビューからの情報です)
乙一の作品でもうひとつ好きなのは、 『暗いところで待ち合わせ』 です。顔も知らない男と心を通わせていく女性の心模様が妙にいい。情けないムードが漂いつつ、なにかいいのよねー。ホラーではありません。
乙一のファンサイトの掲示板に時々、彼自身も書き込みをされています。書き込みは若い人ばかりなので読むだけで入っていけない(涙)。あそこに書くとさすがにワタクシ浮きまくることでせう。 はぁ。せつない。
『GOTH リストカット事件』 2002.7.1.乙一 角川書店
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