青春の思ひで。
DiaryINDEX|past|will
前略プロフィール
|ゲストブック
|永久少女天然色夢絵巻
|kitchen & closet
|MAIL
バイト中に、どうしても好きになれない後輩のSちゃんが、 「今度Mさんと呑みに行く約束したんですよ〜」と嬉しそうに言っていたので。
心の中でぶち切れた。
Mさんとは、あたしのおにいちゃんのことだ。 そう、あたしの。
何だ、それ。 聞いてないよ。
おにいちゃんは、あたしがSちゃんを嫌いなことを知っている。 あの娘は、たぶんおにいちゃんのことが好き、だから嫌い。 理由もちゃんと知っている。 Sちゃんの話になると、あたしが泣いてしまうことも知っている。 Sちゃんにはいろんなものを奪られたけど、おにいちゃんだけは奪られたくない、っておにいちゃんの前で泣いたこともある。
なのに、何でよ。
不機嫌になったので、仕事終わったあとに、 「あたしに何か隠し事してない?」 ってメールした。 メールしたまま、寮(もどき)の地下にアイロンかけに行った。 携帯、持たずに。 電話がかかってくるだろうな、と思ってたけど。
一回、部屋に戻ったとき。 すでに何回もの着信と、一通のメールがあった。
「お願いだから電話に出てください。別れたければ別れてもいいから」
あたしはここで、変だな?と思うべきだった。 だって、たかだかSちゃんと呑みに行く約束を言わなかったくらいで、別れるとか別れないとかの話になる方がおかしい。
でも、あたしは。 あたしがすごく怒ってるのだろうとおにいちゃんが勝手に思い込んで。 それで下手に出てるのだろうと思った。
更に放置して、アイロンがけの続きをしに地下へ行った。
アイロンが全部終わって、戻ってきて、電話をかけた。
「隠し事って、誰かから何か聞いたの?」 「別にいいよ。言わなかったってことは言うべきことじゃないって思ったんでしょ」(←ほんとはよくない) 「何を聞いたの?」 「だからもういいって。あたしだって、おにいちゃんに隠してることのひとつやふたつやみっつくらいあるし。別に心当たりないんでしょ?」 「…………あるよ」
おにいちゃんは苦しそうだった。
「でも、あたしに言うべきじゃないと思ったんでしょ。だったら、もういいよ」 「違う。言おうと思ってたよ。瞳冴とはちゃんと付き合っていきたいから。聞いてくれる?」
あたしは、もうとっくに泣いていて。 泣き叫んだ。
「いやだ!聞きたくない!」
「お願いだから、聞いて」
そして、おにいちゃんが言ったことは。 あたしの想像の範疇に全くないものだった。
「今日、ルリと会ってきた」
その名前が出てくるとは露とも思っていなかった。
|