ブロロロロォーン!
葛折れの階段をモトクロスバイクで昇り行く2人の男。 一階分先を行くのはドーラ。 続いてサウム。 運転の慣れていないサウムは遅れまいと必死だ。 どれほど踊り場を廻っただろうか… 目が回るのを我慢してハンドルを操作する。
ようやく「F1」の表示に辿り着いた。 案の定シャッターが下りている。 そんなこともあろうと用意してきたプラスチック爆弾を、 練り合わせて壁面とシャッターの隙間に押しつけた。 信管を差しこむと二人は「B2」まで降りて起爆した。
バズゥーーーン!
こもった音が階段を伝ってくる。 塵が舞う。 サウムは耳を押さえていたにも関わらずキーンとなった。
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キレネーズはなんだか気まずくなって誰にも見られていない事を確かめてから、 それをクズ山の方へ放り投げてしまった。
(あんなものを献上したらよけいに罪が重くなってしまうよ。はぁ)
ひとりごちた。 さてと、気を取りなおして掘り掛けていた場所へ戻ったその時だった。
バズゥーーーン!
すぐ目の前の土盛りが吹き飛んだ。 腰を抜かすキレネーズ。 その場に固まった。
(仲間の誰かが危険物に当っちまったか?)
たまにこういうことがある。 古代の廃棄物の中にはまだ気の抜けていないボンベだのが混じっていて、 いきなり爆発するのだ。 だからこうして重たくて暑苦しいアーマードスーツをまとっている。 キレネーズはしゃがみ込んだまま土ぼこりの向うから何かが現れるのを見た。
ブロロロン!
2台のバイクだった。 跨ったままの二人はゴーグルを外して辺りをうかがった。 あちこち凸凹に穿り返された廃棄場だった。 青いアーマードスーツを纏った人間がこっちを見ている。
「ここはまだ埋め立て中でしょうか」
とサウム。
「いや。発掘しているらしいな」
バイクのエンジンを切って降りた。 彼らを取り囲む様ににじり寄ってくる青い連中。 つづく
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