│←20歳・成人式に着る振袖を。→│
お金がないのに、毎日病院通いなのに、入院費も莫大で、 成人式なんて再来年のことなのに、 振袖なんか、買えないよ! どうして、売りつけるの? 大ッ嫌い。 彼女達を捨てたあんたなんか、 彼女たちのママじゃない。下心丸見えだよ、色目使いすぎ。 弟に借りた3000円、早く返しなさいよ。 自分の都合しか考えてなくて、子供も育てなかったあんたに、 「冷たい性格ね」 と言う資格は無い。 それでも、母親ですか。
私、20歳まで生きるつもりは無かった。 一ヶ月前までは。 18歳。 自分よりもずっと優しい柔らかい枕を抱いて、あたたかな音楽と光と夜の中で、 私だけが冷たく駄目な物で。でも、 「死にたい」なんて、気安く言ってはならない。 永遠に流れることになった滝のように、誰にも抱きしめてもらえず、 気附いてももらえずに、ただ、軽い言葉だけが私を傷つけ、去っていく。 いつもずっとそう。 大切な友人よ幸せになれ。低く小さく別れを告げる。 素直になることを学ぶ術をどうか、どうか、教えて。
私が居たから、そうするしかなかった。 ごめんね おかあさん。 風邪を引いたのかもしれない。熱が37.8度ある。
終わり。§2003年06月17日(火)§ |