│←「遺書」を書いた日のこと。→│
真っ赤な苺の柄をしたノォトに、遺書を書いた。 遺書を。 今日は、その内容を書こうと思う。
愛すべき お父さん、お母さんへ。
今まで本当に有難う御座いました。 と、お決まりの言葉で、すみません。 正直、私を、私の肩に乗っている責任というもの、 みなさまの期待というもの、受験生としての責任、自分の犯した罪の重さ、 それらが、私の身体を地球の真ん中に押しつけているのです。 つまり、息をすることが苦しいのです。みなさまの目線が厳しすぎて。 私という子供を産んだこと、後悔ください。 情けない子供を持った、とお思いください。 死ぬまで自己中心的な子供を、お許しください。 あなた方には、背の高い、体のがっちりした、今にも野球選手になれるような 心のとても優しい 「優」 という子供が一人、居らっしゃるでしょう。 その方を、愛してあげてください。 そうして、私という人間を産んだ憎しみを、私という物に対する溢れ出る憎しみを、 その方への愛情へ変えてお与えください。 愛してあげてください。そして、お元気で。 私は、「たらいまわし」という言葉を拒絶いたします。 曾祖母の存在は、みなsまにとって、まさしく、それ だと思うのです。 昨夜、母が私の汚い傷だらけの腕を、曾祖母に見せました。 あまりにも、残酷でした。 私は、その腕を曾祖母に見せまいと力一杯に自分の方へ引っ張ったのですが、 無理でした。 曾祖母は、 「おまえにはまだ。将来がある」 と主張しました。けれども私は、そんなもの要りません。 何も取り入れようとしない脳。私は、この肉体から抜け出さない限り、 何一つすることが出来ないのです。 だから、私は、自分の命を、此処で消すのです。
貴方は私ではない。 永遠に、私を判ることが出来ないのです。息の出来ない苦しみも。
視界から、心から、時間から、あたし達は貴方を選んだのよ。 此処は、あたし達の生命が生きる場所。 それを、生きる道を燃やす星のような悪事、と叫んでいるだけ。 もっと近くに、もっと近くに、もっと近くに。 あたしは貴方の膝にしがみ付いて懇願するけれど、 "夢を見て。また、必ずあたしは信じ続けるから。" どうして、あたしを否定できない? あたしの感情を凍てつかせて遺せばいいだけよ。
Mama, Papa Forgive me.§2003年04月17日(木)§ |