│←小さなうたがい→│
@目が覚める。目覚まし時計が鳴る。 少し鳴らしておく。止める。 そして着替える。
今日も始まる、平凡の自分の 平凡の一日。 しがないワタクシでございます。 七夕祭りが行われようと、「牽牛」と「織女(」が天気悪くて逢えなくても、知らないわ。 あたし、平凡ですから。 祈りなど何処にもないの。 今のままで、充分だもの。
「あたしにはどうして色がないの?」
シロちゃんは長い長い旅に出ました。
なにごとにも情熱的な赤サンと出会いました。 みんなに元気をあげているきいろくんに会いました。 悲しみをやわらげてくれる青さんや 安らぎを与えてくれる緑さんにも会いました。
「どうしてあたしには みんなのような色がないの?」
みんなは口をそろえて言いました。
「きみはもう、持ってるよ。」
シロちゃんはおウチに帰って、透き通った鏡に映る自分を見つめました。 シロちゃんの目から、真っ白な 涙 があふれてきました。
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