Juliet's Diary HOMEDiary INDEXpastwillsellection


2003年06月26日(木) つよしの背中

自戒の意味を、込めて。ぜんぜん、すまっぷさんに、関係ない日記。

今日、わたしは、入社以来の、大失敗をした。
その前に、昨日のことを、話さねばいけない。


昨日は、ニューアルバム、MIJの、発売日。
おうちに、amazonから、届いているのは、ママゴンに確認済みで、知っていた。
うきうき、していた。飛んで帰りたい、気持ちだった。

”もう、すまさんたちは、ドーム入り、したかな?”

終業が近づき、生放送のために、すまさんたちが、近所に、来ている。
そう、思うと、それも、なんだか、そわそわそわ。
そして、終業前に、この仕事を、片付けてしまえ、と、
エミュレーターで、データを、呼び出した。



”あれ・・・?”

社内最速・高性能能、わがPC ”パソミちゃん” の反応が、ない。
ふと、見ると、メーラーの送受信に、エラー表示が、でた。
自分だけ、ネットワークから、落ちたのだと、思った。

”龍兄・・・。自分、ネットワーク、つながらない・・・”
”あっ・・・”
どうやら、龍兄も、ネットワークから、落ちているよう。
たっくんが、サーバーのチェックを、はじめようとしたとき、
社内のあちこちから、小さな声が、あがった。


”サーバーダウンしてる! 本社、全部、止めて!”

龍兄の指令で、本社内の作業を、止める。
あちこちで、どうなってるの?とか。
うっせーんだよ。サーバー、落ちたんだよ。ネットワーク、だめなんだよ。

で、ネットワーク、ダメだって、言ってるのに、
意味わかんないで、作業、しているヤツいるし(笑)
ごめんよ。キミのその全作業、もう、アウト。保存してなきゃ、終わりだよ。

龍兄とたっくんが、復旧作業に入るので、自分が本社内で、説明し、回避。
いろいろな人に、泣きつかれたが、もう、どうしようもない。
ひとりひとり、説明し、状況を確認する。すぐに、復旧すると、思っていた。



”ダメだ! 全国、止めて! オフコンも、PCも!”

龍兄の、悲鳴が聞こえる。
あわてて、電話に飛びついて、全拠点に、連絡する。
原因が、わからないで、頭を抱える、龍兄、たっくん。
自分は、こういうとき、役に立たない。
ハードに関しては、一般ユーザーレベルの、知識しかない。


時間が、過ぎてゆく。社内業務が、全て、ストップしている。
念のため、各拠点に、PCを、全て落としているか、電話で、確認する。
いつもなら、自分のPCから、確認できるが、今は、できない。

”全国、止めているんだよ! 指示に従ってくれないと、困るんだよ!”
思わず、名古屋支店に、怒鳴りつける。案の定、使用している拠点が、ある。
日頃は、おふざけ業務課も、一度、トラブルが起きると、鬼へと、変貌する。
ちなみに、拠点数、16。ぶっ殺すよ、です。



わたしは、役立たずだった。
”そうやって、対応してくれるだけも、助かっているんです”
龍兄、たっくんの言葉が、うれしかったが、くやしいことだ。
日頃、少しずつ、勉強はしているが、絶対的に、追いつかない、ふたりのレベル。
こういうとき、差を、感じるんだよね。


結局、1時間経っても、原因が、わからない。復旧できない。
龍兄の許可をもらい、全国に、今日はもう、あきらめて、と、連絡する。
ほとんどの人が、仕事を途中で、帰宅した。
ネットワークが、つかえない。これだけで、会社が止まる。


原因不明で、最終手段。ネットワークの、再配線を、行うことになる。
それも、床下の配線を、確認するには、あまりに時間がかかるため、
応急処置として、簡易的ネットワークを、組むことに。

たっくんが、秋葉原に、山ほど、LANケーブルを、買いに行く。
その間に、龍兄が、ネットワーク図を、作成。
秋葉原のたっくんに、電話で、必要なものを、指示している。


”じゃ、わたしは、帰ります・・・・”
役立たずは、もう、いても、仕方がない。

ふと見ると、つよしが、いる。そう、つよしは、元業務課員。
はずかしい話だが、つよしは、龍兄、たっくんより、知識がある。
おそらく、手伝うつもりで、待っているようだった。

ビールと、龍兄の大好きな、柿ピーを、買いに行く。
こういうとき、ほんとう、自分は、こういうことしか、できない。
つよしの分も、一緒に。なさけないなぁ・・・・。


家に帰り、時計を見る。彼らは、今日、何時に、帰れるのだろう?
そう思っていたら、いつの間にか、寝てしまっていた。
そして、起きたら、朝の8時50分だった。



”龍兄は? たっくんは?”
”二人とも、昨日は、外泊で、まだ、来ていません”
電話の、つよしの、冷たい声に、冷や汗、だらだら。
どうやら、ふたりとも、徹夜で、作業をしたらしい。

”じゃ、部長に、代わって!”
覚悟を、決めた。さすがに、まずすぎる。

”わっはっはっ! まぁ、しょうがないよね”
”すみません! すみません! で、龍兄たちは?”
”あぁ、たっちゃん? オレもね、どうしてるか、知らないの”

更に、あせった。
トラブル翌日。業務課員が、ひとりも、出社していないなんて、全社、大混乱!
15分で、家を、飛び出し、会社に着いたのは、10時だった。もう、泣きそう。
会社に着いたら、龍兄、たっくんは、さすがに、出社していた。


”仕方ないですよ・・・”
怒らない、龍兄。でも、夢中で、平謝り、の、平謝り。

”ダレにでも、あることですから・・・”
”でも、よりによって、今日じゃなくても・・。緊張感が、足りなかったんです。
昨日も、ぜんぜん、役に立たなくて、ほんとうに、申し訳なかったのに・・・”


しかし、龍兄の様子が、ちと、おかしい。
話しているうちに、同じようなことを、クチ走る。上体が、揺れている。
そして、そのうち、まぶたが、閉じてしまう。

”あの・・。疲れて、怒る気力も、ないですか?”
はっと、我に返る、龍兄。
”いえ、怒らないですよ。ほんと、ダレにでも、あることですから”


たっくんを、見ると、彼も、疲れた顔で、笑っている。

そういえば、彼が、前、二日酔いで、大遅刻を、かましたとき。
”すみません、じゅりさん、すぐ、打ち合わせをしましょう!”
上着を、あたふた、脱ぎながら、約束の時間に、遅れたことを、わびた。

”ねぇ・・。朝ご飯、たべた?”
”はっ?”
”食べてないんでしょ? これ、あげるよ、食べな。走ってきたんでしょ?
まずは、コーヒーでも飲んで、一服して、落ち着いたら?”

そしたら、たっくん。
”やさしいんですね・・・”と、うるうる、して、小さな声に、なった。
人には、やさしく、しておくもんだな。(反省しろ!自分)



龍兄とたっくんは、3時過ぎまで、作業をしていた。
”で、らくーあで、サウナに入って、仮眠したんです”
なぜに、らくーあ?
”だって、行ってみたいじゃ、ないですか・・・”

そういう龍兄は、仮眠室が、満員で、空いていた1室を、たっくんに、譲り、
自分は、らくーあ内の、ベンチで、仮眠。

”竹で、できているんですよ。硬くて。おまけに、寝返り打てない幅で、
更に、床から、高くて、怖いんですよ”

つまり、結局、眠れなかった、ということ。
なぜ、そんな時、ムリにミーハーして、らくーあ、かな?

”会社の応接の、ソファーで寝れば、よかったじゃん”
”でも、そこは、つよしくんが、寝ていたから・・・”


うっ・・・。つよしも、泊まったの?
よく見ると、つよしも、昨日と同じ、ワイシャツ・ネクタイ。
おまけに、ヒゲが、少し、のびている。

”つよしくんに、謝ったほうが、いいですかね・・・?”

こんな状況で、大遅刻をかました、自分。
部長、主任、同僚が、許してくれても、つよしは、許さない気がする。
きっと、死にたくなるようなことを、言われるに、決まっている!

”いいですよ。オレから、お礼を、言っておきましたから”
青くなって、怯える私を、見かねて、龍兄。うう。涙が、出そう。


そういうワケで、1日中、龍兄、たっくんには、頭が、上がらない。
ちょっと、ヒゲがのびていることは、からかったけど。

寝不足で、暑い、暑い、体が、痛い、と。30半ばの龍兄は、動けない。
床下までは、やらないけど、配線は、きっちり、カーペットの下に。
龍兄、たっくん、つよしが、どれほど、重労働だったかは、よく、わかる。
ウチワで、あおいであげても、うーっ、と、唸ったまま、動かない。

意味もなく、笑ったり、へらへらしている、ふたりの姿が、痛くて。
そんな状況でも、背筋を伸ばして、仕事をしている、つよしくが、怖くて。

龍兄とたっくんには、冷たいコーヒーを。
わざわざ、木村君の、Fireで、火をつけたくて。
”燃え尽きました”
龍兄の、ギャグに、たっくん、バカウケ。自分、笑えない。
でも、つよしには、怖くて、なにも、言えない。背中が、怖い。


”オレ、ジェットコースターに、乗りたい!”
狂った、たっくんが、叫ぶ。
ユースケさんが、乗った、あの、ジェットコースターの、こと。
”じゅりさん、ジェトコースター、平気なんだよね”
”うん。今から、行って来たら? 30分もあれば、帰ってこれるでしょ?”


”なに? オレと、乗りたい? それは、困るな!”

横から、いきなり、つよし!
今日は、クチを、きいてくれないかと、思ってたので、びっくり!

”そうだよ、じゅりさん、つよしさんと、一緒に、乗れば?”
ニヤニヤ、たっくん。
”それは、オレが、拒否する。オレにも、選ぶ権利が、ある”
”あら、つよしくん。素直じゃないね。わたしと、行きたいくせに”
”そうだよ! あっ! つよしさん、木村さんと、乗れば?”
”それだけは、絶対、イヤダ!”


”怒ってないよ・・・”
そう、つよしが、言っているように、思えた。

しゅんとして、つよしに、びくびくしていたから、気を使ってくれたよう。
勿論、龍兄に、”死にそうなこと、言われそうな、気がする”
と、話していたことも、丸聞こえだったに、違いない。



ダレにでも、あること。でも、それは、やはり、許されない行為。
社会人として、自覚が、足りなさすぎ。
これだけは、許してもらえたようだけど、2度と、してはいけない。

自分の、はずかしい、結果。戒めのために、ここに、記録しておく。
決して、決して、もう、してはいけない。

龍兄の、苦しそうな、顔。たっくんの、ムリした、笑顔。
言葉では、気を使い、でも、背中で、無言で責める、つよしに。


もう、絶対、絶対、してはいけない。

MIJも、オールナイトニッポンも、野球中継も、全て、ふっとぶ!
なぜなら、すまっぷは趣味だが、仕事は、わたしの生活の、基盤。

もう、絶対、しては、いけない。
ほんとうに、ひやひやしたし、落ち込んだ。
もう、絶対、しない。絶対、しないんだ、よ・・・・。




追伸

”これから、この車の中でのこと、忘れてくれる?”

この間の、日曜の、夜。
ほぼ、同期入社で、同じ歳で、日頃は、軽口の大王が、そう、言った。
8年、同じ会社にいるが、こうして、長い時間、ふたりきりなのは、初めて。

”少しでも、長く、じゅりさんと、一緒にいたいから・・・”
そう言って、高速には、乗らなかった。

”いいよ・・・。忘れる・・・”


だからか? 
ヤツの背中が、しっかりしない、自分を、責めているように、思えたのは。


結局、わたしは、つよしのことが、大好きだ。

自分に、厳しく、人にも、厳しく、容赦ない。
上司だろうが、役員だろうが、おかしいと思ったことは、はっきり、言う。
正論を、はっきり、ぶちまける。そして、なにがあっても、筋を通す。

時には、いや、毎日、ムカつく。
あまりに、細かく、そして、きっちり、仕事をこなす、つよしに、ハラもたつ。
ケンカもしたし、怒鳴りあいも、した。

でも、どんな時でも、彼は公平で、そして、助けてくれた。
気がつくと、側で、待っていてくれた。
だれに対しても、そうだったが、それが、どれほど、ありがたいことだったか。



”忘れてほしい・・・”

忘れないよ、絶対。
つよしの言葉に、自分は、涙が、出そうだった。


今日の、つよしの、背中が。なにも、言わない、背中が。
怖くて、そして、自分が、不甲斐なくて。

そして、その結果は、3ヵ月後に。
わたしは、まともに、つよしの背中を、見ることが、できるのだろうか?


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