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2002年10月15日(火) どうするよ?つよしくん(拉致被害者帰国)

一ヶ月前も、こんなことが、ありましたが、
申し訳ないですが、今日は、ぷっすま、見ている場合では、ありません。
前回、同様、大キライなテレ朝を、避け、TBS筑紫哲也にて、拝見です。


24年前といえば、わたしは6歳。小学1年生ですが、もうすぐ、30歳です。
長い、あまりに、長い、空白の時間です。

被害者の方々は、テレビでも、さんざん、言っていましたが、
当然、自由な発言は、できないでしょう。
しかしながら、肉親には、必ず、伝わる、胸のうち、です。
早いうちに、日本へ、ほんとうに、帰国できることを、お祈り申し上げます。


ニュースをみていまして、前にもお話した、友人のことを、思い出しました。
彼も、命がけの脱出を、してきています。

”自由社会に来て、いちばん、うれしかったのは、
たくさん、良質の音楽を、自由に、きけることでした”

と、酒好きの彼は、言っていました。

正直、笑いました。
なぜなら、隠れて聞いていた、韓国のラジオ放送で、覚えた韓国の歌を、
酔った拍子に、くちづさんでしまい、再収容の、危険が、せまったからです。


”あなたらしいね”

と、目の前にいて、生き延びているから、笑って言えましたが、
自分が、再収容の対象に、上がっている、という、情報を得た彼は、
まさに、目の前が、真っ暗で、自分の命は、もう終わったと、思ったそうです。

”どうせ、殺されるなら、国境警備兵に、撃ち殺されるも、同じ”

まだ、20歳、そこそこだった彼が、求めていたのは、
”自由” そして、”生きる権利”


数ヶ月間、中国での逃亡生活後、やっと、たどり着いた、韓国。
そこには、想像もしていなかった、自由と、人間らしい生活が、あったそうです。
そして、今でも彼は、我々には、聞きなれない、
”自由社会” という、言葉を、使用します。



突然、連れ去られ、がんじがらめの、監視の生活。
どれほどの、苦痛が、あったのでしょうか?


”このまま、日本へ、残りたい”


それでも、彼らは、北朝鮮へ、帰ってゆく。
それは、残された家族の、命を守るため。
親にも、自分の気持ちを話せず、ただ、生きて会えたことを、
唯一の、喜びとしながら、また、いつ、会えるかわからない場所へ、帰ってゆく。


”すぐ、会えるよ。国交正常化交渉が、はじまるから”

そう、信じて、数十年前に、朝鮮帰国事業で、帰っていた在日の人たちは、
いまだ、日本へ帰ることなど、夢のまた、夢。
保証など、どこにも、ないのです。



韓国統一展望台資料館で見た、北朝鮮漁船の乗組員の写真。
難破し、乗組員で、彼、ひとりだけが、生き残った。
韓国側は、必死で、亡命するように、説得をした。

”一度、韓国を見てしまった、あなたを、北朝鮮側は、生かしてはおかない”

そんなことは、北朝鮮住民の彼なら、よくわかっている。
それでも、彼は、自由の橋を、自分の足で、歩いて渡り、帰国した。

”家族が、いるんです”

彼の最後の言葉。
その後、彼と、彼の家族が、どうなったかは、わからない。



雨振る日のソウル。友人は、ひとり、悶絶する。

北朝鮮に残してきた、妹さん。
自分が、実兄が、亡命したために、どんなつらい目に、あっているのか?

”あまりに危険で、生き延びる可能性は、ゼロに近かった。
だから、一緒に、つれてくることは、できなかった”

彼が、生きて妹さんに、両親に、友人に、会える可能性は、見通しがない。
生きているかも、わからない。



人間の命って、なんだ。そんな、ゴミクズみたいな、ものなのか?
なんで、そんなに、ひとりの人間の命を、軽く扱うんだ?
マルクスが目指した、社会主義は、そんなハズじゃ、なかったろう?
それじゃ、単なる、恐怖政治だ。がんじがらめの、社会じゃ、ないかよ!



どうするよ、つよしくん。

もし、あなたが、あの国に生まれ、今のような職業に、ついていたのなら。

あなたも、生き延びるために、心にもない、賛辞を、口にするのか?
首領様と、その側近を楽しませるだけの、映画に出て、
そして、その容姿の美しさに、目をつけられ、
俳優とは、名ばかりの、男娼として、扱われるのか? そんなの、人形だ!


”心の中までは、ばれやしない”

いや、心も、カラダも、命も、考えも、
その、全てを奪われるのが、抑圧された、あの社会。

そんなところ、人間の住むところじゃ、ない。

”我々は、毛のない、サルだ”

友人の著書に、書かれた言葉。



どうするよ、つよしくん。
わたしも、もう、なにが、なんだか、わからない。


あなたも、テレビを、みていたハズ。
今、心から、思う。

”あなたの、意見が、聞いてみたい”

そうすれば、少しは、心が、落ち着いて、眠れるような、気がする。

拉致被害者の方だけでなく、今、苦しんでいる、全ての北朝鮮国民の方々に、
心やすらかな日が、はやく、訪れますように。


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