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2002年10月01日(火) 仕事を忘れるほどの恋

「行かせてやれよ・・・・」
木村が、中居に言う。

「ダメだ」
「つよしがここまで、してんだぞ」
「ダメだと言ったら、ダメだ」
「今、行かなかったら、つよしは一生、後悔するかもしれない。
行かせてやれよ・・・・・」


中居はつよしを見る。

「つよし、帰るぞ」


以上は、当HP内の、つよし小説の、一部であります。
お読み頂いた方は、ご存知かと、思いますが、空港での2topの会話です。


先日、我社の社員が、退職しました。
たくちゃん(仮名)と、呼んでいた、つよしくんと、同じ年の、男性です。
彼は、3週間前に入社した、新人の女性に恋をしました。
29歳で、小学生のお子さんのいる、バツいちの、きれいな方でした。

なにが、ふたりに、そうさせたのか? それは、わかりません。
たくちゃんは、どちらかといえば、ごく、普通の男の子で、
いい加減なところは、なかったと、自分は思います。


あっという間に、恋に落ち、盲目となった、たくちゃん。

細かい説明は、省きますが、結果として、
彼は、辞表を、提出するしか、なかったようです。
そのいきさつは、総務より、聞きましたが、
仕方がないことだと、わたしも、思いました。
あんなふうに、会社を休んでは、言い訳が、できないでしょう。


たくちゃんの直属の上司、えべ課長様は、たいへん、傷ついていました。
2年近く、かわいに、かわいがっていた、彼が、
あっとう間に、変わっていってしまった。
そして、結果として、自分の信頼を裏切り、更に、去っていってしまった。


確かに、彼らのつきあいは、仕事の上でのことです。
でも、一緒にいる時間が長くなれば、それ以上の感情も、あったりします。

体調が悪そうなら、心配したり、困っていれば、助けてみたり。
困難な状況を、一緒に努力して、乗り越えて、うれしかったり。
間違いを指摘されて、腹が立ったり、感謝したり・・・。

結局、会社とはいえ、そこには、個人的な、人間関係が、あったりするのです。




さて、そして、わたしの、つよし小説。
考えてしまいました。
実は、わたしも、たくちゃんの突然の退職に、驚き、
また、部署は違えども、あまりの出来事に、傷ついたからです。


”もし、自分が、中居さんの立場だったら、つよしくんを、許せるのだろうか?”

人の命が、かかっているとはいえ、どうだろうか?


言ってしまえば、たかだか、恋。
みんなで、10年近く、努力してきたことより、ソレが、そんなに、大事なのか?

”失うかも知れないものは、このオレたちなんだぞ、つよし”

自分で書いた、小説ですが、今まで聞こえてこなかった、
中居さんの声が、聞こえてきます。悲鳴のような、叫び声です。



このお話を読んでの、皆様の感想の中で、吾郎様を連想した方も、多かったです。
わたしも、今、それを、感じています。


”助けて! みんなのところに、戻りたい!”

不意打ちの出来事に、仲間のひとりを、失ってしまうかもしれない、その苦しみ。
きっと、4人には、電話で、話すことすら、許されない状況でも、
吾郎ちゃんの悲鳴が、はっきりと、聞こえてきていたのでしょう。



人を失うって、なんだろう。人との信頼って、なんでしょう?

コドモの時ほど、単純じゃない。
誰だって、幸せになりたくて、必死に、生きている。
でも、結果として、だれかを、傷つけてしまっている。

わたしだって、もうすぐ、30。
世の中が、白と黒とで、はっきりしているなんて、思っていません。



吾郎ちゃんは、不意打ちでも、
小説の中のつよしくんは、自分の意思で、行動している。

”自分が、中居さんの立場だったら、許せるのだろうか?”

わからない。正直、自分の書いた物に、自信がもてなくなりました。
結局、あまちゃんが書いた、あまちゃんのお話に、思えてきたり、します。



人と人の交わりは、そんなに簡単な、ものじゃ、ないようです。
たかだか、会社のつながりなのに、傷ついている人が、いっぱい、います。

たくちゃん。そこまでして、手に入れた、恋の味は、どうよ?

それでも、わたしは、キミに、今後の未来が、幸多からんことを、願っておりまする。
ぐっど・らっく! しゃらばい!



追伸

森君が、脱退した時は、どうだったのでしょうかね?
そうとう、当人達も、つらかったと、思いました。

でも、その時は、つらくても、結局、森君のがんばりが、
残された彼らを、元気付けている、そう、感じます。


人と人の交わりは、単純じゃ、ない。


森君も、しかり。吾郎ちゃんも、しかり。

一度、驚いて、傷ついても、当人の、その後の姿勢が、
”結局は、どうであったのか?” を、示してくれる。

どんな状況に、追い込まれても、一度、失敗をしてしまっても、
その後の、がんばりで、納得してくれる、人たちも、絶対に、いるし、
また、そうしなければ、いけない。


人生って、難しい。戦いのようだ。
でも、だからこそ、それを乗り越えた時、人は美しいのかも、しれない。


そして、結局、わたしには、
自分で創り出した、中居さんの気持ちは、わからない。
多分、一生、わからない。
それは、答えが、いく通りも、ありそうな、ものだから。


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