千羽鶴
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星降る夜に オカシナ生き物達の大行進 星を食べようと 大きく大きく口を開けて ひき千切れる程に手を伸ばして 伸びる限り首を伸ばして
星降る夜は 彼等の戦い 我先にと口を開いて 余りに 余りに口を開きすぎて 顎が裂けて 余りに 余りに手を伸ばしすぎて 腕は千切れて 余りに 余りに首を伸ばし過ぎて 頭が胴から離れてしまったことにも気付かずに
空に溶けて無に還る
とびきり大きな 流れ星が流れた頃 満月さえも飲み込んで 真ん丸に太ったその生き物は 六万年に一度しか現れない紅い星を ぱくりと一気に飲み干して するとすると 目玉はただれて星になり お腹は膨れて破裂して 中から真ん丸満月が そして口から紅い星 その生き物は 雷のような叫び声をあげて 空へと溶けていきました
私は煙草を吸いながら 空を見上げてそれを観ていた 明日の朝には誰も知らない 私と彼等の 一夜限りの物語
mocco
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