2004年09月02日(木) |
【水饅頭観察日記】その9 |
仕事から帰ってきたら、水饅頭が枯れていた。 あ、いや、水饅頭本体じゃなくて、苗の方ね。 うっかり水をやらずに出勤したせいか、水饅頭を生んで役目を終えたせいか、どちらかは判らないけれど、蓮葉型の薄い緑色の葉は、すっかり茶色と黄色のまだら模様になり、茎は不健康な緑色になって、ぐったりと硝子製のポッドの縁に倒れていた。 ちょっともったいない気分になったけれども、露天商のおじさんは、1つの苗から1つの水饅頭。と言っていたので、もう役割を終えたのだと理解した。 そして生まれた水饅頭は、どうやら自力で移動することが可能らしくて、出勤前に置いておいたお皿の隅っこにちょこんと座って、ふるふる揺れながら、うたを歌っていた。 水饅頭は、どうやら歌うのが好きらしい。 霧吹きで水をかけてやると、ますます幸せそうに歌う。 その、歌声の微妙な変化が、私にはひどく可愛らしく思えた。 そのうち、ぴょんぴょん飛び跳ねたり、もしくはツルツル滑るようにしながら、皿から降りたりするかな? と思ってしばらく眺めていたのだけれど。 歌うし揺れるけど、移動する気配は全然なくて。 今は動く気分じゃないのかな? と、勝手に解釈して、お風呂に入って戻ってきたら、いつの間にか、皿から降りて、出窓の前でゆらゆら揺れていた。 ……水饅頭め。だるまさんが転んだモードで生きているな?
水饅頭と一緒に、出窓から夜空を眺めながら。 水饅頭の歌声をBGMに、缶ビールなぞ飲んでみたりして。 なかなかに幸せな、秋の夜を満喫中でございます。 今の私は、ほろ酔いでかなりご機嫌。 水饅頭の歌声も、かなりご機嫌。 ご機嫌に酔っぱらって、うっかり水饅頭を食べちゃわないように、気をつけよう。
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