箱の日記
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2014年07月10日(木) やわらかな港





誰かを祝う夜の騒ぎを抜け出すと

やわらかな港だった

ずらりとならぶクルーザーたちには

アルファベットで

動物や知らない女の子の名前がついていて

ひとつひとつを呼ぶたび

頷くように揺れた

ロープにつながれた彼女たちの

従順なあきらめ

はるか遠くから届くシグナルのようなさざ波に

たぷん と返す静けさ

ジョセフィーヌ

ナナ•ジェイ

君たちの生まれた町だとか

くぐり抜けてきた荒波のこと

魔法のような出逢いとさよならや

夕暮れに魚が跳びはねる本当の理由について

おしえてくれるのなら



今ごろパーティーはお開きになって

じきにさめた現実が陸からやってくる

いずれこの港にも

くりかえしという幕が覆いかぶさり

すべてをリセットする

希望みたいなものはぜんぶゼロになるから

いまのうちに たぷん



かさねている

よせる波に





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