箱の日記
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今年のザクロは やはりというか やはり、大きい きっと背伸びしても届かないあたりより上 に 点々と赤々とぶら下がっている すでに落ちてしまったものは 乗用車やトラックの車輪に、幾度も潰され 湿り気のないアスファルトに張り付いている 未だ落ちる前の赤い実も 鳥が突くには皮質が硬く、 あるいは鳥は知っているのか、 自分らには酸味がすぎることを
どれか落ちはしないかと見つめたが
そういう場面というのは ほかにすべきことをぜんぶ放りだして じっと待ち続けなければ 見られない ものだ もんだ 落ちたばかりのものを初めて 車輪が通過していくときの 音
に
鳥たちは振り向くだろうか
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