箱の日記
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2005年01月15日(土) 遠く、あたたかい



遠く、あたたかい



僕に向けられたのだか、そうでないのだかよくわからない気持ちで
映画を見ていた
見たことのあるような木々や鳥が現れては
消えていった
もはや
誰のためのものでもなかった
そこにあなたがいて
息を白くして
凍り付きそうな掌をあたためようとしている
あなたを愛するすこしばかりのものたちが
あたためようとする
あなたは愛するすこしばかりを
あたためようとしている
映画は途中で終わっていた
それは僕のためでもなく
映画をつくったひとのためでもなく
カタカタととぎれたフィルムの端が回り
いつまでも座って見ていた


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