箱の日記
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雑草
雨上がりのつちを掬い 匂いをかぐ こんなところにも また
雑草ははやく摘む 摘まれながらそれは 絶えないきぼうのかたちをして しばらくは空を向いている 並べて 処刑するわたしのそんざい
草たちよ つちさえがあればめざす もたらす風も鳥も たいしたちがいはないのだと 気付かなくとも 絶えずにまた生まれてくる わたしたちの怠けぐせのようでもあり すこし放っておけば 覆い尽くす 摘みとってはまた生える はしたないを 摘みとる こんどこそ と数えきれないくらい 並べて はしたないわたしたち 生きているわたしたち
小さな虫が背をまるくして 掬ったつちが置かれるのを待っている それから くちばしを空いた鳥が通っていった
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