箱の日記
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2004年04月02日(金) 終わるはずのないような三月が終わった

 いきなり風邪をひいている。鼻、のどが荒れて。










虹をたどっていたら
首輪のない犬がぽつりとしていた
どうしたんだい
犬は黙ってついてきた
首がだらりと垂れ
思いつめているように見えた
架け橋の途中から
泣き出して、こういった
「なくしたんです、なくしたんです」
犬の涙があふれ出して
こちらに流れてきた
つるつると滑りやすい足場が
危うかったので慌てて
ここを通るものはだ誰もがそうなのだとなぐさめた
みつかるかどうかわからないものを
探しに行くための橋なのだ
と教えてやった
犬の大泣きはしばらくやまなかったが
そのあいだわたしは立ち止まって
犬を撫でながら
虹の足元がどんなふうだったか
ふりかえっていた
どうしても思い出せないまま
やがて別の足元へ降りるのだと
先の方をみた
犬が泣きやんだら
滑り落ちないように
また歩き始める





 


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