コハルビヨリ
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ダーツバーで、店員さんたちと話してたとき。
スペイン料理屋さんの話になった。 彼は行ったことがあるらしい。
つれってってー。
美味しい和食のお店の話も出た。
つれてってー。
そう彼に言った。
彼のおうちに帰ってから言われた。
「なんで人前でああいう態度になるの? お前はいつもそうだよな。 人前に出ると俺につっかかる。
人前では男を立てる、 家に入ったら尻にしくでもいいけどさ、 俺はそうしてほしいな。」
私の“つれてって”はつっかかった態度だったそうな。
だってそんなとこ連れて行ってくれないじゃん。
それに、 誰といったのかほんとは知りたかった。 でもまたそんな暗いこと言って嫌な顔されたくないし。 (たぶんこっちのが態度悪く見える原因だ。)
最初付き合い始めた頃の私はそんな感じだったかもしれない。 彼にくっついて歩いて、言うこと聞いてふりまわされたりもした。 今より言いたいことが言えなかった分、 人前でもふたりきりでもおとなしく言うこと聞いてたし。
彼がそういうのが好きなのは知ってる。 私もそうできたらいいかなと思う。 無理しないで自然に。
でもそんなにうまくいかないもので。 今そうやったらたぶん何かガマンしたり不満がつのったりする。 人前だからっていうのも大切だとは思うけどさ。 なかなかそうはいかない。 それが人前だけでもいやだし。 尻にしきたいわけではないし。
そう思ったから、彼の言葉に素直に “うん、そうするね” とは言えなかった。
あー。 嫌われたりしちゃったりしないのかな。 相変わらず自分がやきもちやきで困る。
そして彼に言われたとおりに変わるのが ちょっとめんどくさいと思ってしまった。 だめだなあ。
だってなんか理想の女に改造されてる気になってしまって。 そういうのもうれしかったはずなのにね。
うーん。
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