コハルビヨリ
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昨日、彼のおじいさんが亡くなった。
彼は昨日からへこんでて。 あんまり眠れなかったみたいで。 きっといろんなことを考え込んだんだろう。
なのに、なにも言ってあげられなくて。
私は近い親戚を亡くしたことはないし、 彼にとっておじいさんがどんな存在だったかよくわからない。
でも彼が悲しんでいることは確かだ。
なんだかわたしまで悲しくなってしまった。
悲しむ人がいるってことは、人の心に残ってるってことは、 きっとおじいさんは幸せだったのだと思うのだけれど。
私が彼の悲しみを拭い去れるとは、彼も思っていないだろうし、 私もそんなことできないと思う。
でも、彼が「コハルに会いたい」なんて言ってくるってことは やっぱり誰かにすがりたい気持ちもあるんだろう。 どうしようもできないことはわかっていても。
隣にいたら抱きしめられるのに。 生きている暖かさを伝えられるのに。 もう少し悲しみを分けられるのに。
せめて、今夜は眠れますように。
あなたにはわたしがいるんだからね。ずっと、ずっと。
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