コハルビヨリ
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| 2003年06月17日(火) |
*きみとわたしの時間 その5* |
少しそのままでいたと思う。 初めて触れる彼の腕の中は心地よかった。 薄暗い部屋は、羞恥心を忘れさせる。
もうそこからは何を話したか覚えていない。
でも、キスした。 えっちはしなかったけど、朝まで一緒にいた。
4月も終わろうとしてた。 この日から、ただの先輩後輩じゃなくなった。
ぼんやりと彼氏のことを思った。でも、気持ちは もうそこにはなかったのだと思う。自分勝手で最低なわたし。
彼はたぶん最初は遊びだったのだと思う。 私に彼氏がいることも知っていたし、「別れなくていいよ」 って言われたし。まだ知り合ってから1週間ちょっとだったし。
そんな状態のまま、ゴールデンウィークは前から約束して いたので彼氏のところへ行った。
でもなんだか楽しくなくて、申し訳なくて、彼に会いたくて、 予定を早めて山形に戻った。彼氏の顔を見たら別れたいとは 言えなかった。
彼はそれを喜んでくれた。反面、私が自分に本気になっていくのを 気まずく思っていたのかもしれない。付き合おうという言葉は 出てこなかった。それにはわけがあったのだけれど。
彼氏をふりきって帰ってくるくらい彼のことが好きになって いるのに、別れを切り出さない自分がとても嫌で。 何も知らずに、彼氏がわたしに優しいのが辛かった。 悩んで、泣く日も続いた。
今思えばほんとは山形にくる前から冷めてたのだと思う。でも 「彼氏」がいなくなるのが怖かった。だから好きな人ができて、 その人がこっちを向いてくれそうだから別れよう、と思った。 自分の気持ちもよくわからないまま付き合ってたわたしはばかだ。
帰ってきてから2日後くらいにやっと彼氏に別れようと言った。 2年10ヶ月。わたしが大学に入って1ヶ月でその人との日々は 終わった。ほとんどわたしのせいで。
その彼氏にはほんとに感謝してるしいくら謝っても足りない。 ごめんなさい。でも私が好きなのはあなたじゃないんです。
別れました、と報告したときも彼はたぶん少し困ってたと思う。 わたしのことを好きだとは言ってくれていたけど。 彼はわたしが彼女になりたいムード全開だったから勢いに 負けたのかも。
5月7日(日付はもう8日だったかも)、「付き合おう」、 それが彼からの言葉だった。
順番はいろいろ間違えてたけど、 その日わたしは晴れて彼の「彼女」になった。
つづく
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