2002年03月13日(水) リトル☆かつあげ

森永「苺のガナッシュ」チョコ、うまい。

日記3日ぶり。
おとといあたりはべっこり凹んじゃって、モー大変でした。
くだらないことが原因で、
鬼ヶ島の鬼が持ってるぼこぼこした金棒で後頭部を
「ごい〜ん」とやられたような大打撃を受けてしまい、
何もやる気が起きず、インターネットしながら
父のこととかいろいろ思い出してしくしく泣いてました。
暗すぎ。
ああ、こんなことは滅多にないのです。
でも翌朝にはケロッとしてたんですけどね。

その時、元気の出そうな曲を、
と思ってホフディランの「スマイル」を聴いていたんですけど(単純)
しばらく聴いてて、沈んだ気分が少し浮上したかなと思った矢先
いきなりベイビーが
 「じさ〜つ〜…」
と歌いだしたのには参りました。
MDがつけっ放しだったようです。
ギャフン。

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今、安西水丸の「メロンが食べたい」というエッセイを読んでおります。
その中の、水丸氏が「寸借詐欺」にあったという話を読んで
ちょっと思い出したことがあるんで懺悔させてください。


以前2、3回だけ巫女のアルバイトをしていた時のこと。
その日は、仕事が午後3時くらいからだったので、それまでの時間
私は電車で2駅のところにあるショッピングモールに行ってました。
そしてそこで欲しかったものを買おうとした時、財布の中身が淋しいことに気がつきました。
その時、「これを買ったら帰りの電車賃がなくなるな」とは思いましたが、
「銀行行っておろせばいいや」ぐらいに思っていたので
結局、有金を50円くらい残して全て使ってしまいました。

しかし、いざ銀行に行ってお金をおろそうと思ったら
カードがありませんでした。
「しまった!」
思いがけずポケットやカバンの底に小銭が入っていることがあるので
あちこち探してみましたが、こういうときに限って1円もありませんでした。
やはり、いくら探しても50円しかありません。
「このままじゃ電車に乗ることすらできない」と、私は途方に暮れました。
(今考えると「返品」という手があったように思えますが、その時は
全く思いつきませんでした。)

いろいろと考えあぐねた結果、
しょうがないので誰かに貸してもらうことにしました。
「もしかすると誰か知ってる人が偶然通るかもしれない」という淡い期待を
抱きつつ、しばらく待っていましたが結局誰も通らなかったので(あたりまえ)
諦めて見ず知らずの人に声をかけることにしました。
しばらく声をかけやすそうな人を物色していると、目の前に丁度良さそうな人が現れました。
券売機で切符を買おうとしているその女性は
年の頃は20代後半で地味目の会社員風といった感じでした。
今がチャンスだと思って、私は彼女に近づきました。

 『あのう、ちょっといいですか?』
 『えっ?!』
 『…あの、私、今お金がなくってー、
  電車に乗りたいんですけど切符が買えなくて、
  お金おろそうと思ったんですけどカードがなくて、
  キャッシュカードとかもなくて…』
 『はあ。』
 
いきなり声を掛けられて、女性は驚いていました。

 『いきなりこんなお願いして申し訳ないんですけど
  住所教えていただければ、必ず返しますんで、
  110円だけ、ちょっと貸してくださいませんか?』
 『えっ…』
 
女性は不信な顔をしました。
お金を貸してくれそうな様子はありませんでした。
まあ、無理もないですね。
女性は私を、腰の低い、新手のかつあげだとでも思ったのでしょうか。
しかし、私も切羽詰っていたのでしつこく食い下がりました。

 『私、時間がないんです、バイトなんです、3時から。
  遅刻できないんです。クビになります。
  110円でいいんです。絶対返します。
  家に帰ればあるんです。お金あるんです。
  わかってます、私がばかだってこと、わかってます。
  でも、すいません。今だけ私を助けてくださいませんか?』

焦っているので、わけのわからないことをいろいろ口走ってます。
もうプライドなんてあったもんじゃありません。
それでもなお、女性は貸すのを渋っていたので
「こんなに私がお願いしてるのにどうしてわかってくれないの!」
と、こちらが逆ギレしてしまい、さらに強い調子で私は続けました。

 『ああ、わかりました。
  じゃあ、ここに住所書いてください。
 (紙きれとペンを押し付けて)さあ書いてください。
  家に帰れば、茶封筒がありますから、
  それに入れて今日中にだってポストに投函できますよ!』

と言い、私は彼女に信用してもらう為、自分の住所氏名電話番号を
書いた紙を女性に渡しました。
なぜ、こんなにも強気なのか。
嫌ですね、こんな奴。私なら絶対会いたくないです。

結局、女性は諦めたようにしぶしぶ住所を書いてくれ、

 『わかりました。で、いくらでしたっけ?』

と言い、券売機に小銭を入れてくれました。
その言い方が、いかにも「私は恵んでやってる」という感じで
ちょっとカチンときましたが、そんなこと言える立場じゃないので
 
 『すんません!確実に返します。』

と言い残し、電車に飛び乗りました。

ホントにあの女性は災難だったとしか言いようがありません。
ご愁傷様、女性。
ちなみに女性は今井美紀と同姓同名だった気がします。

後からわかったんですけど、事情を話して住所とかを書けば
電車って乗せてくれるんもんなんですね。
もっと早く知ってれば、あんなにみっともない真似をせずに済んだのに。


お金?
ちゃんと返しましたとも。
封筒のなかに、110円と「ご迷惑おかけしました。」って書いて。


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れんこん [MAIL]

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