徒然なるままに…
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2004年09月13日(月) |
対話空間。『行く』と『来る』についての覚え書き。 |
『私とあなた』という空間概念。 確かにそういう定義があると何かと説明しやすい。
A:ご飯できたよー。 B:今行くよー!
これを英訳すると、こうなる。
A:Dinner's ready. B:I'm comming!
日本語では『行く』なのに、英語ではcome(来る)。 さて、これをどう説明するか。 英和辞典でcomeを引いても、ほとんどの辞書で正確な意味は記されていない。 なぜなら、日本語の『行く』『来る』の意味を前提に説明しているから。 大雑把に言って、日本語の『来る』の定義は、『話しての領域外から領域内への移動』で、 『行く』の定義は、『「来る」以外の移動』。 だから、BがAのところに移動するときに使われるのは『行く』。 (九州方言では『来る』を使うけど、ここでは標準語の話)
じゃあ英語のcomeとgoの定義はどうなっているかというと、 comeは、一人称(私)と二人称(あなた)のいる空間(対話空間)内に着点がある動きを表し、 goはcome以外の動きを表す。 英語によるAとBの対話では、Bの着点が対話空間内にあるため、comeが使われる。
『行く』、『来る』とcome、goは、人称の対立の仕方が違うから、用法にも違いが出てくる。
この対話空間という概念は英語にだけあるのではなく、日本語にもある。 例えば、こそあ言葉(ここ、そこ、あそこ、この、その、あの、などの表現)。 対話空間内で、かつ一人称の外にあるものには、『そ』が使われる。
この概念、他にも色々使えそうだ。
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