みやにっき
詩人を名乗ることにした。

2004年12月28日(火) 訃報に際し。

<訃報>石垣りんさん84歳=詩人
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041227-00000002-mai-peo

僕は小学生中学年の頃に彼女の詩を読んで,「たかが詩なんてものにこんなにちからがあると思わなかった」と,衝撃を受けたわけなのです。
んでもってそれがこびりついていて,中学1年の時にエンデの「鏡の中の鏡」を読んで,融合して何故かこのような詩人・絵描き状態に突入するわけですがまあそれは置いておいて。

彼女の詩に滅多な感想は言えないなあ,と思うのです。
この打たれる感じは自分のものとして黙って自分の身に受けていようとただ思うばかりで。
「ご教訓じゃあるまいし」あるいは「何を偉そうに断言をして」と言えば言えるのかもしれんが。あるいは,技術の面から言うと何も「新しい」ことをするわけでなし,それこそ古臭い戦中・戦後の時代をそのままに生き抜いてきたような。
しかしこの人の言葉を裏付けるのは,この人の人生そのものだ。なんという強度。詩表現そのものの強さじゃないかもしれない。透かしてあまりの強さで映し出されてくる,この言葉を書かせた彼女の人生そのものに打たれてしまうのだろうなあ。
自分の人生を書くことに価値を見出す人と,遠く行くことに価値を見出す人とそれぞれだろうから,彼女のやり方が僕は絶対であるとは言わない。僕自身,そういう詩を書きたいと思うこともあれば,言葉表現の面白さに身をゆだねたいと思うこともあるわけで。
でもひとつの,つよい意思で打ち出された,つよいかたちだ。
僕は美しいと思う。

自分の作品に感想を言われたり向き合った批評をされることがほとんどないので,落ち込んだりさみしくなったりもするのだけれども。
もしそれが,上記のように「感想を言いたくない」というところまで昇華できたことだとしたら,これくらい僕が報われることもないのかもしれない。
表現の評価にそれを求めるあたりは,表現者としての業か。
あ,ただ単に作品の程度が低いからろくなことも言う気にならないって話かもしれないけど!にょほほ!(ここまで書いてきてそれかよ)

ttp://homepage3.nifty.com/ja8mrx/rinnmokuji.htm
↑で石垣りん氏の詩作品が読めますが,どうにもこのサイトは著作権をばりばり侵害しているような気がしますので,ご自分でURL補完して見に行ってくださいませ。



以下極論ですので,気分を害される方もおるやもしれません。

僕は個人の死について,家族でも日頃ごく親しくしていたわけでもない他人さま達が,人前で「思い出を語り合って」「記録を残して」いくのを見るのがそんなに好きではありません。
個々人の作業としてあるいはどんな個人でも少なからずもつおおやけの側面の性質上,必要なことなんだろうなあとは思いますから,止めようとも思いませんけれども。他人さまに無邪気に取り扱われるのは,故人が少なからずおおやけのものなのだから,その痛みは黙って飲もうと思う。
でも一番何が嫌だって,それが「正しいこと」と主張されることです。
必要なことと,正しいこととは違う。
喪を行うに際して,どんな立場も必要だから行われるのであって,正しいから行われるのではないと,僕は思う。
もし千羽鶴を切実に焼かねばならない人がいるのだとしたら,そういうことも,あるんだろう。
911の追悼番組を見たくなくてテレビの電源を落とす人がいるのだとしたら,そういうことも,あるんだろう。
「自分の子供は愛されて死にました」という言葉に耳を塞いでわあわあ叫びながら自分の頭を壁に打ち付けたい人も,いるんだよ。
(ただし自分個人の作業として行うこと。人の領分に踏み込んじゃいけねえ。)
某所でのやりとりを見ていて,双方の主張として「正しいことなのになんで反論するのか」と言われているのが一番不愉快でした。いざこざが起こったことそのものじゃありません。それぞれの立場から「私に必要だから」と発言することしかできないように思いますのに。
正しいから,と主張できるものなんて,本当にあるのかね。
なんだか,ひどく,無邪気だ。

僕は黙祷をする。「僕は戦争を知らないんだ」と思いながら,する。
僕は募金をする。「僕は飢えを知らないんだ」と思いながら,する。

もう時効かなーとも思いつつ。言わずにおられない人なんだね。恥ずかしいね。



んんんー。こういう順番で並べると自己内矛盾。
僕は僕の必要に応じてこうした文章を書き,ここに置きました。
読んだ人に働き掛けてしまうだろうことは自覚していますが,読むことや返答することを強制するものではない,個人の主張として位置付けてくださると幸いです。
僕はひとんちの掲示板にこういうこと書いたりは,しません。

僕が僕の必要で僕の場所で,石垣りん氏を悼み。
僕が僕の必要で僕の場所で,追悼に関しての感想を述べました。
それだけのことです。



わー いいわけがましーいー。


 <なんだっけ?  まとめて  そんでどう?>


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