夜の道は眠たい。自分が何をしているのか分からない。どうやら道順を間違えたみたい。川沿いの星空は、薄雲の膜に覆われ、控えめに煌めいている。牛蛙が浅瀬で喚くのである。深い奥から探し当てられた欲望は、一言で先走ってはその手に握り締め、また奥へと自らが押し込んでゆく。あとは唯夢見心地。