消防団長 隠居日記
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2002年03月15日(金) |
俺ってすんげーとこ住んでんだな |
うちのマスターとお客さまとの会話でたまに、「地の人、よその人」っていうのがでる。「地の人」というのは地元の人、「よその人」というのは他から来た人のことをいう。 私の感覚では、今現在そこに暮らしていれば「地の人」で、旅行者とかこちらに住んでいる人の友人なんかは「よその人」。でもこちらの「地の人」は違う感覚をもっている。もう、60年以上この場所に住んでいても、その親が他から引っ越してきたような人は「よその人」なのだ。一体どこまでさかのぼったら「地の人」と呼ばれるのだろう。元々朝鮮半島から渡ってきた民族なんだから、日本国中「よその人」なはずなんだけど・・・。 だだ確かなのは、田舎ってとこは今でもそういったものが、細々とではあるが生きている。ここよりもっと田舎に行けばすごいんだろうな。横溝正史の世界みたいなもんが。
田舎っていえば、この辺りじゃ地区によって名字が同じ家が多い。もちろん「地の人」の家に限るが。 うちの前の家も隣の家も、隣の家の向いもうちと同じ名字。だから名字呼んでも、どこの誰かわからない。そこで登場するのが「屋号」である。「屋号」とは簡単に言えば家のあだ名だ。 これにはいろんなバリエーションがあって、基本的なのはご先祖さまの名前。「権兵衛」とか「清十郎」だとか。元農家の家に多い。あとはご先祖さまの職業。「たびや」とか「せんべや」。その家の立地条件っていうのもある。山の上の方に住んでいたので「上田」とか村の出口にあったから「でどや」とか。 「屋号」は今でも頻繁に使う。同じ名字が集中しているという現状が続く以上、実用性が高いだろう。
私自身、ここに住むまでは知らなかった価値観を目の当たりにすると、未知の世界というのは案外身近にあるんだなと思ったり。
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