カンラン 覧|←過|未→ |
ごろごろと午睡に入るまで あったかな毛布にくるまって 耳をかたむけるは ラジオから流れる穏やかな音声 男の人のやさしい声だ 今日はこんなはなし。 この時期いろんな人の口から溢れる さくら さくら という言葉 言わずと知れた花の名前 ニッポンだとか和だとか そんなイメージが強いものの さくらはもちろん海外にだって存在する けれど日本のさくらとは少しばかり違っていたりするのだそう たとえばヒマラヤに咲くさくらは 日本のもののように満開のあとはらはらと散ることはなく 枝についたままその花を枯らすという ・・・残骸的なさくらの木だなんて想像できないし したくないかも うつらうつらする頭でぼやり考えている・・・ それからこんなはなしも・・・ さくらの「ら」は僕らの「ら」とおんなじなんだ っていう説もあるんだって そしてさくらは 日本の国民性にとてもとてもマッチしているんだとか ひとつひとつの花に大した個性はないけれど 花がたくさんたくさん集まったさくらの木を 離れたところから見上げると それはそれは美しく華やかで 他に類を見ない存在感や ときとして発揮する迫力 一方ではわびさびに通じたはかなさを 周囲に与えることのできる そんな木であり花である ・・・嗚呼,現実世界とさくら色の夢との狭間・・・。
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