カンラン 覧|←過|未→ |
以前に店頭で手に取ってみたものの, お財布と相談の末, もう片方の手に取ったまったく別の文庫本で自分をごまかし納得させた記憶ある そんな一冊の本。 ふと思い出してからというもの 街中の本屋さんをうろうろしてみるもなかなか再会が果たせず, とある友人のおすすめの(←じぃさんありがとね。)サイトで検索をかけてみた。 タイトルが微妙なためか,すんなりとは行かず, 思いつく限りのありとあらゆる鍵で何度も何度もしつこく検索をかけたら その執念に根負けしたかのように見覚えのある表紙の写真があらわれた。 うれしい。 どれぐらいぶりかしら。 ・・・見つかったはいいけど,オンライン・ショッピングとやらに不慣れな私はどうも決心がつかない。 しばし検索結果画面を呆然と眺める。 だって今まで購入したことがあるのは漢方のお薬ぐらいだ。 とりあえずどうしようどうしようと散歩に出掛けてみることに。 ぴうぴう吹きつける風に心は今にも飛んでっちゃいそうだ。 冷たい風が我が物顔で通り抜ける中肉中背のビルの谷間をとぼとぼと歩いて 初めて入ったキャフェの2階から通りを行く人たちを見下ろしてたら どうにもこうにもあの本が読んでみたいと私が言う。 何度か訊いてみてもやっぱりあの本が読んでみたいと私は言う。 (これ,いつも買い物をするときの自分の中のやりとり。癖ですね。) そう思った途端,残り半分ぐらいになったチャイの冷めるのが早いこと。 甘さは思いのほか咽喉にまとわりつく。 もぞもぞしてきた気持ちに抗うことなくぐびっと飲み干してそそくさとお店をあとにする。 注文しよう。 そうしよう。 結局もう一度いちから検索し直して無事ご購入。 早く届かないかな。 気持ち的には,かなりのこおどり。
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