カンラン 覧|←過|未→ |
机の上にぽんっと置かれた分厚いメモ帳を 言われるままにぱらぱらめくってみると あらわれた落ち葉。 ふしぎなかたちをしたその葉は 半分が黄色でもう半分がピンクがかった茶色。 色鉛筆でしゃしゃしゃと塗ったような なんとも言えないやさしい色で。 ちょうどまんなかのところで右と左で違う色。 「きれいだね。」と言ったら, 「あげる。」というひとことがぽんっと返ってきた。 さっき机の上にメモ帳があらわれたのと同じような感じで。 ぽんっと。 落ち葉がたくさん敷かれた公園でこのきれいな一枚の葉を見つけたんだそうだ。 見失ってしまわないように目で場所をしっかり記憶して ちらちら確認しながらサッカーをするその人の姿を思い浮かべたら おかしくなった。 もちろんそれ以上にすごくすごく嬉しいんだけど。 こみあげてくる笑いが止まらなくなりそうで 口をすぼめてお茶を飲んだら熱かった。 かぁぁっとしたものが一気に咽喉をすべりおりていって 胸までひりひり熱くなった。
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