カンラン
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2002年11月16日(土) あなたのふしぎはわたしのふしぎ




人体,人体,・・・と言っていたら

(自分ではそんなに連呼してたつもりはなかったのですが。),

念願かなって『新・人体の不思議展』に行けることになりました。

何年越しの興味津々ターゲットだったんでしょ。

京都時代に梅田で開催されてて,

かなり気になっていたものの,

あれよあれよと結局期間終了しちゃって悔しい思いをしたのを覚えてる。

期間に割りと余裕があると「まだまだ大丈夫。」なんつって

ついつい先延ばし,先延ばしにして見逃してしまう悪い癖。

今回もご多分に漏れず,

「まだまだ。」って言ってる間に12月1日の最終日がどんどんどんどん近づいて来てる状況でした。

よかった,行けて。

それにしても「来て,見て,触って」でしたっけ?

なんてキャッチィなんでしょ。

私,電車の中で何度,このことばの書かれたポスタァに見入ったことでしょう。

たしかに会場ではおこさまが

「うほぉぉぉぉぉ!」と意味不明な雄たけびを上げながら人体にタッチしまくりでした。

展示された新聞記事をいくつか読んでみたのですが,

来場者,若い女性がほとんどだそうです。

「生命を宿す存在」,「近頃の健康志向の延長」,「死にまだ遠い存在」などなど

様々な理由づけがなされていましたが・・・

うん。たしかに。

私たちのすぐ前の女性もひとりでものすごく熱心に展示物に見入ってた。

私は何だかんだ言って,さささっと流すところは流すんですけど。

私の横で少し目が泳ぎ気味の人は,

ショーケースを覗き込んでは空を睨み,

「うぅぅん。こども連れて来て見せるのってどうなんだろ。」って悩んでるようでした。

本人が「見たい。」って言うなら見せてもいいものだと思う。

「こわい。」とか嫌がる子に見せる必要はないと思う。

だってここにある人体,

まるでつくりものみたいにさらりと展示してあるけれど,

れっきとしたほんものの献体だ。

実際私なんて,

中国語と日本語で書かれた献体に関する同意書の用紙が

意外にも一番現実的な展示物だったような気がしたぐらいだ。

それらを理解した上で見てる私もよくわからなくなってくる。

はじめて見る,こわさを感じない死。

きもち悪いわけでもない。

たしかに心のどっかで「これってありなのかなぁ。」っていうのは感じるね。

ちょっといけないことのような。

でも同時に自分が何なのか知るのも大事なことのように思うし。

間違いなく貴重な体験をした。

帰り際に脳を持ち上げてみた。

私が先に。

男性が平均1400グラム,女性が1250グラムぐらいらしい。

うぅぅぅぅん・・・重たいぞ。

これを首一本で支えて生きてる人間てすごいな。

こりゃ肩もこって当然だ。

普通に生きてるのって,なんだか十分奇跡だぁ。







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