カンラン 覧|←過|未→ |
きれいな朝焼けや夕焼け空を何度も肩を並べて眺めていたとして きもちのいい空気の流れにしあわせそうに目を細めていたとして 旅の終わりは少しふくらんだ彼女のお腹と冷めた愛情 地球がほんの少し重たくなったような気がした ふたりの旅がまぼろしだったとして ほんとは最初から何にもなかったんだとして おたがいを知るよしもない別の世界の人たちだったとして ちいさないのちの終わりは 地球がほんの少し軽くなってしまったような気がした 世の中には 絶えず たくさんのいのちが生まれ たくさんのいのちが消えていっているというのに そんなふうに感じてしまうのはひとりよがりでしょうか
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