カンラン 覧|←過|未→ |
私が小さかった頃はここが広島の空の玄関口だったのに, 山間部・本郷町への拡大移転後は 何本かの小さな直行便のみが行き来する空港になった。 (市内だし,場所的には絶対的にこっちの方が便利なんだけど。) 多少は覚悟してたものの・・・息がつまりそうなぐらいちっちゃい。 もとのターミナルの半分のみが飛行場として使われているようで, ちょっとしたビジネスホテルのロビーぐらいの広さしかない。 そんな空間で発券して, 一度すぐ横の搭乗口まで数歩歩いて手荷物検査を受けたら, キンコン警告音を発するあの機械をくぐらずに荷物受け取ってUターン。 そのまままた搭乗手続きカウンターに数歩歩いて戻る。 手続きと手荷物預けが終ったら, 搭乗時刻までの微妙な時間をロビーで過ごして もう一回あらためて搭乗口をくぐるという流れ。 あー,なんか悲しくなってしまいました。 昔は「それなり」だったんですけどねぇ。 広島みやげもロビーの柱のところに もみじまんじゅうのサンプルが置いてあって, 「おみやげにどうぞ。」の文字が書いてあるのみで。 前日に買っといてよかったぁとこころから思いました。 ぶるぶるまわるプロペラに頑張ってもらって, 一路経由地・鹿児島へ。 いまどの辺だろうと窓の外をのぞいて見ればおっきな陸地。 しばらくすると海のすぐそばに滑走路が現れ, そばには‘OITA'の白い文字。 飛行機って,ほんとにひとっ飛びなんだ。 鹿児島空港での待ち時間を利用して, 豚角ののった鹿児島ラーメンで腹ごしらえしてから 奄美行きの飛行機に乗る。 台風のおかげで心配だらけだった目的地に これでようやくたどり着けそう。 空港からお迎えバスに揺られてまずは民宿へ。 荷物を置いてひと息ついてから, レンタカーを借りて奄美の友達の待つ手広海岸へ。 ・・・とは言うものの, 道がわからずさとうきび畑の間の道をあちこちぐるぐるまわってしまい, 友達のそのまた友達に助けに来てもらったりしながら 夕方の海岸にたどり着くことができた。 波乗りをしていた奄美の友達は色の黒いはっきりした顔立ちをしていた。 私はもちろん初対面で, 同行の友達は以前共通の友達の結婚式で一度だけ会ったことがあるのだという, なんとも非常に薄い繋がり。 そんな状態で広島からやって来た私たちを 暗くなるまで親切に連れてまわってくれた。 さくら貝がいっぱい散らばっている海岸。 ハブ採り名人の店(この日のハブ・ショーは残念ながら終わってた。)。 ソテツのジャングル。 あやまる岬の夕焼け。 がじゅまるの木。 アダンの木。 ブーゲンビリア。 ハイビスカス。 私が消化できたのはこれぐらいだけど, たくさん教えてもらった。 奄美の人は植物の名前をよく知ってる。 それだけ慣れ親しんでいるんだろうなぁ。 私も広島でよく見かける木や花の名前ぐらいは勉強しとかなきゃ。 あたりがすっかり暗くなった後, 奄美の友達のおうちにおじゃまする。 ちょうど知り合いの子の誕生会があるということで, 居酒屋で地元の人びとと合流させてもらい, 思いがけずおいしいお料理をご馳走になってしまった 奄美のことばの渦の中。 民宿の部屋で絵はがきを書く。 旅先での私の大好きな時間のひとつ。 そして,ひとつだけメールを送る。
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