歯科医家族の妹殺しとセレブ妻の夫殺しで切断事件がちょっと話題になっているけれども、私はA新聞でしか記事を読んでいないので、殺害に至る動機とか容疑者の性格とかよくわかっておらず、あまりしたり顔であれこれ言うのも的外れでみっともないかと思うが、とりあえず、感じたことを。
「夢」が人を殺すこともある。 被害者の発言があの兄の供述どおりだとすれば、カッとなる気持ちはわからんではない。 夢がありゃそれでいいのか、と。 私の感覚では、被害者が容疑者をなじる言葉は、容疑者の状況を考えれば結構ひどい。明らかに地雷である。 もっとも、殺すところまで行くのは家族関係がだいぶ傷んでいたからだろうし、切断の仕方がちょっと「殺戮に至る病」っぽいのでそのへんの心理はよくわからないが、「殺してやりたい」というよりも「いなくなれ」「消えろ」という気持ちだったら、細切れにして人間の形をなくさせるのではないか。これはセレブ妻の方もそうじゃないかな、と推測する。 「殺してやりたい」は対等な関係で抱く感情だが、「いなくなれ」はどちらかというと弱者が抱きやすい感情である。弱者と言って悪ければ、被害感情を持っている方、か。人間は「理不尽な被害を受けている」と感じているほど、残酷になると個人的には思っている。 夫殺しは「なんで実家に逃げなかったんだ?」と思うけど、虐待される子どもによくあるように、家族からは逃げにくい心理が確かにある。 客観的には逃げられるのに、主観的には逃げられない。 随分な隠蔽工作をしているようだが、それはかなり強い自己保身で、犯行そのものが「自分が被害を受けているから」自分を守る、という理由からなされたせいだと思う。 10年前「サカキバラ祭り」の騒ぎ方に対して、「他人の心理なんかわかりっこない(だから、騒ぐのはやめなさい)」と諌める知識人もいたが、「理解できない」とひたすら良識的なバッシング(変な表現だが)に専念するのも、なんだかな、と思う。
「不条理! 不条理でござる!」と泣きながら日本刀を振り回す(周囲の人は出血する)「不条理侍」というキャラクタを思いついたが、そんなに面白くなかった。沈没。
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