| 2005年11月02日(水) |
オペラの怪人(1943) |
少年ジャ●プばりの予告破りですいません。ついでにTourbillonの綴りも間違えてたことに気づきました・・・。じ、次回こそ。てゆーか、要はTourbillonいいよ〜っていう話なんですけどね(汗)
ということで、クロード・レインズが怪人役を演じたカラー版映画、通算2作目になります。 本作に関しては、容赦なくネタバレします。 「これから見る人のために楽しみを取っておこう」なんて殊勝な配慮をしたくなるような作品じゃございません。ぶっちゃけ、腹が立ちます。全く「オペラ座の怪人」の原型をとどめてません。もうなんつーか、いかにも「過去のヒット作にあやかろう」的な、受けさえすりゃ何でもアリな作りが許せません。こんなのが当時大ヒットですってよ! 日本国民が空襲と物資不足に苦悩して「火垂るの墓」状態なときに、こんな駄作を金かけて作っちゃうんですから、そりゃー勝てませんよね、あっはっは。 声と色がつきゃ質も向上するかというとそんなことはなく、個人的にはまだサイレント版の方が評価できます。 あらすじはというと、オペラ座のコーラスガールであるクリスティーヌは警部のラウル(なんでだ!)と付き合っていますが、バリトン歌手のアナトール(誰だこいつ!)とも仲良くしています。もうこの時点でアレアレです。 しかも、このクリスティーヌは思いっきりヤンキー顔で、個人差はあるでしょうが私はあまり美人だと思いません。萎えます。 そこへ、バイオリン奏者のおっさんが登場。クリスティーヌとは顔見知り程度です。彼は指のトラブルでオペラ座楽団をクビになってしまい、いつも下宿代滞納してるので追い出されそうです。 嫌な予感がします。 まさか・・・こいつが・・・? で、何故このおっさんが貧乏かというと、クリスティーヌにこっそりと歌のレッスン料(高額)を出してやっているからなのですが、クリスティーヌは知りません。何故疑問を持たないのか、特に説明はないので不明です。そしておっさんが何故そんなことをしているのかも不明。ただ、早瀬の予備知識では、この話は「エリックが訳あって名乗れぬクリスティーヌの実父」という設定だったはずなので、この時点ではまあいいとします。 問題はこの後です。 レッスン料が払えなくなると困るエリックさんは、自分の作った曲を出版社に売りに行きます。ところが、早とちりから曲を盗まれたと思い、社長を扼殺。たまたまそこにあった酸を浴びせられ、警察の手を逃れるためマンホールからオペラ座の地下に逃げます。 ああ、「ファントム・オブ・パラダイス」はこれが元ネタなのね・・・。てゆーか、ロマンもへったくれもないこの展開に、怪人ファンは無表情になるしかありません。 そしてオペラ座には幽霊の噂が流れ、クリスティーヌは誰かに(天使でもなんでもない)「君を有名な歌手にしてみせる」と囁かれ、プリマドンナは一服盛られて彼女が代役に抜擢されます。ここはまあ原作に従ってるんですが、ここまでの展開があまりにもかけ離れていて、エリックの性格もかなり大人しい人なので、唐突感が否めません。何故そこまで? そして、めげないプリマドンナと侍女をも殺します。意味がわかりません。 このようにあれこれ事件がある割には、監督が下手なのか何のスリルも感じず、さすがの早瀬も退屈してきました。唯一スリリングだったのは、他の歌手がクリスティーヌの代わりに舞台に立っているときにシャンデリアを落とそうとするところ。 だって、糸ノコでギコギコ地味〜に切ってるんですよ。「急いでエリック! 頑張ってエリック! 早くしないとオペラが終わっちゃう!」とハラハラしました。これが本作最大のスリルでした。 で、シャンデリアが落ちたドサクサでクリスティーヌを誘拐。「ここで私と暮らそう。私のために歌え」ときました。 えーと、父親ではなかったのでしょうか。 ただのおっさんの片想いだったのでしょうか。 それにしても唐突です。途中でエリックさんの性格が変わってます。酸かぶってアタマおかしくなっちゃったんでしょうか。ほんと意味がわかりません。アンマスクドシーンは殆ど必然性がなく、しかも大して怖くありません。これは時代もあるので仕方ないですが。 地下の隠れ家にラウルとアナトールの2人が助けに来まして、ラウルが一発銃を撃つと壁が崩壊、エリックことオペラ座の怪人はその下敷きとなってあっとゆーまに死にます。 たった一発撃っただけで大崩壊です。そんなにオペラ座は老朽化してるのか。ドリフのコントのオチか。 で、クリスティーヌに「かわいそうに」と言われて終わりです。 えっ? 父親じゃないの? 「同じプロヴァンス出身」は何の伏線でもなかったと? そして、歌手としてファンにちやほやされることが最優先のクリスティーヌを横目に、ラウルとアナトールの男2人で夕食を食べに行くのでした。 おしまい。
・・・・・・最初から最後までエリックはクリスティーヌの人生のエキストラでした。最悪です。 特典映像のドキュメンタリーによれば、初期設定では父親だったのに途中で役者陣が混乱して(そりゃそうだ。父親にしては偏執狂すぎる)ナシになったらしい。その結果、何が何やらわからない作品に仕上がった訳です。 この映画の一番の見所は、残念ながらラウルとアナトールの漫才です。従って、全然「オペラ座の怪人」ではありません。誰もまともに原作読んでないとしか思えないこの展開、♪じぃごくへゆっけへぇぇ〜!んのろわれろほぉぉぉ!(BY山口ファントム) 特典映像のドキュメンタリーの方が面白いです。ファンとして一見の価値アリ。1962年版の映像もちょっと見れましたが、クリスティーヌがブサイクな上ファントムがレッスン中に彼女を往復ビンタしていたんですが・・・。スタッフの誰か1人くらい、まともに原作読んで下さい。頼むから。 ドキュメンタリーの最後に案内役のおじさんが、「どんな形であれ、怪人は生き続けるでしょう」と不吉なことを言っていました。 どんな形でもいいわけじゃねえんだよ!
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