| 2005年02月24日(木) |
「オペラ座の怪人」(1925) |
サイレント映画です。かなり原作に忠実だし、色々と舞台の元ネタになってるのがわかるので、ファンなら見ておくべき作品と言っていいでしょう。地下へと下りてゆく階段、湖をゆくボート、マスカレードでの赤き死の衣装、そして何故に山口ラウルはオールバックでヒゲだったのか?という疑問はこれが答えてくれます。ただし、ホラー映画として見ないように。サイレントなので仕方ないのですが、演技がオーバーアクションで殆どコントです。そのため、見ているこっちがあれこれツッコミをしたくなります。それでもまあ、ロン・チャニー演じるエリックの、背中が泣かせる演技とか、物凄く美人で儚げなクリスティーヌとスラリと背が高くハンサムなラウルの愛し合ってる雰囲気とか、見どころはあります。 しかし、グッチーやジェリーのせいで「ファントム大好き! カッコいい!」と真剣に思っている方にはあまり勧められません。何故かというと(以下ネタバレにつき反転)ファントムのマスクがおてもやんだからです。あれは仮面ではなくお面です。あんなお面つけた男は、いくら美声でも信用できません。オペラを捨てられないからとラウルを一度振ったクリスティーヌが、あのお面を見た途端にものすっごい不信感をあらわにして「ラウル振るんじゃなかったあ!!」と絶望的になっているのがありありとわかります。無理もありません。はっきり言って、歌わないファントムってこんなにカッコ悪くて気持ち悪い(顔じゃないですよ)男だったんか、と思い知らされます。だってさー会う前にもう、ベッドやら花嫁衣裳やら靴(しかも色んなの)やら名前入りの手鏡やら用意してるんですよ。怖いって! そう考えると、私もファントムの歌声に騙されたクリスティーヌの一人ということかもしれません(笑) いや〜あれじゃ愛せねえよ。笑えはしても、ちゅーで救う気にはなれねえよ。最後までクリスティーヌが怖がってばかりいるのも納得。まあ、「愛してくれ」「でないと殺す」という極端な部分はファントムの本質だろうと思うので、そこは別にいいんですが、サソリを回して(原作参照)助かったラウルを本当にいとおしそうに抱き締めるクリスティーヌを見、ショックを受けたにも関わらず、舞台版と違ってあくまでも往生際悪く彼女を無理やり連れて馬車で逃げまくり、挙句群衆に撲殺されて川へ投げ込まれる、という終わり方はちょっとなあ・・・。あそこで「Go now and leave me!」って言ってりゃまだカッコがついたのに。爆走する馬車から飛び降りたクリスティーヌはあれ、生きてるんでしょうか?(ここまでするあたり、どれくらい嫌われていたかわかろうというもの) その辺も心配ですがフォローなしで終わってしまいました。おいおい。 結論を言うと、終わり方を除けば割といいとこ突いた作品だと思います(私は)。原作の雑多な感じが好きという方、あるいは、ハマりすぎて並の刺激じゃ物足りなくなってしまったディープなALW版ファンの方、どうぞ。笑えます。
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