| 2004年04月09日(金) |
「戦争なんかするやつはどっちもバカなんじゃないですか」 |
題名は「ためらいの倫理学」内田樹(角川文庫)P26の引用である。 この本の内容はまあ、徹底したどっちつかずとでも言おうか、極めて常識的だが(あるいはそれ故に)「じゃあどーしろってのさ!」という悲痛で生真面目な問いには答えてくれない。とりわけ、今のような事態には。 同時多発テロから2年半、イラク戦争が始まって1年以上経つ。当初私は自分の情報や認識の不足を痛感し、それなりに「立場」の確立をしようとしてきた。 「自衛隊は行った方がいいの? 行かない方がいいの?」 「テロリストは何を求めているの?」 「どこの国かに関わらず人が死ぬということに対してどのくらい怒るべきなの?」 情報が増えればきっと「答え」が出せると思っていた。しかし現実には、知れば知るほど、考えれば考えるほどわからなくなっていった。 正義なんかない。 善も悪もない。 原因と結果の関係すら、明瞭ではない。 それで一体、何を決められるというのだろう。 だから、発言を控えた。私には何もわからないから。「ためらいの倫理学」に共感しつつ、「でもなあ」と思ってしまうのは、私がまだ「決然とした立場を取る」ことのイデオロギー性から抜けられないからだろう。 「人道支援をしているのだから撤退する理由はない」とか「筋違いな要求だ」とか、その程度の単純化した理屈で物事を決められたら楽だろう。けれど私は、そういう発言者が「国」をどう捉えているのか質問したい。 「日本」とは、あなたたちのことではないのだ。
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