| 2003年04月22日(火) |
「千年女優」(ネタバレ) |
今は山奥に隠居している映画女優、藤原千代子のインタビューに訪れる男性2人。彼女の生い立ちをインタビューするうち、生涯をかけた恋の話が、そして彼女が演じた映画の場面が交錯し始める。 面白かったです。あざとさギリギリのフィクショナルな造りが、時代に引き裂かれた切ない恋にはよく合っていて、画面は全体に落ち着いた感じだし、腰を据えて楽しめました。 藤原千代子が女優として大成したのは、彼女の決して叶わない恋のせいなんでしょうね。いつか必ずあなたに会う、どこまでもあなたを探し続ける、その想いが、女優藤原千代子を輝かせていたのだと。だから、「老いた姿をあの人に見られたくない」と思ったとき、彼女は引退することになったのじゃないかと、そんなふうに思いました。 「だって私は、あの人を好きな私が好きなんだもの」 下手すると非常に自己完結的で個人的には嫌いな響きになっちゃうような台詞ですが、官憲に追われる思想犯で、満州で逮捕され拷問の末殺された画家と、彼を想い続ける伝説的な女優というドラマチックな設定、そして、老年になり死に瀕しての彼女の人生を総括する言葉として示されているため、ああそうか、と納得できる感じです。 ともかく、一途な千代子さんの姿と、現実と回想が交錯する場面作りが○。タイトルもいいですよね。「一〇〇〇年女王」のパロディかもしれんけど。
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